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シューズ、選手の特徴に応じ工夫
 過去最強ともいわれる女子3人を含む6選手が出場するマラソン。シドニーのコースは小さなアップダウンを繰り返す難コース。鉄橋を2度通過するなど路面も固い。

 アシックス技術部別注チームの三村仁司マネジャーは高橋尚子や山口衛里、犬伏孝行、佐藤信之の4選手のシューズを手掛ける。自身は今回で6回目の五輪となるが「これまでで最も走りにくいコース」と気を引き締める。三村マネジャーがシドニーに向けて最も気を使ったのが、選手が直接足を乗せる中敷きだ。

 マラソン選手の片足には、平たん路でも体重の約3倍の重さがかかるといわれる。下りではその衝撃は何倍にも膨らむ。シドニーで勝つには「一段とクッション性を高める必要がある」(三村氏)と狙いを定めた。素材メーカーからは50種類の素材を集め、その中から反発力の異なる4種類を選んだ。いずれも「これまでシューズに使われた例はない」(同)という。

 ただ、クッション性の高さは逆に、上りでは走りのリズムを乱してしまう。三村氏はコースの傾斜の大きさなどを詳しく調べたうえで、最適な中敷きを選ぶ考えだ。

 こうした技術開発と同様に大切なのが、個々の選手の特徴に応じた工夫。

 3月の名古屋国際女子マラソンで優勝した高橋選手は、普通の選手より靴底の幅が広い2種類の靴を使っている。元来左足の方が右足よりやや長く、着地が不安定になるのを防ぐためだ。

 名古屋のレース2日前。使用するシューズに迷っていた高橋選手に、三村マネジャーは「(スピードが出る)足幅の狭い方を使え」とアドバイスした。結果は2位に大差をつけての圧勝。シドニーでも開発担当者の仕事は本番ぎりぎりまで続く。

[2000年6月7日/日本経済新聞]

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