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褐色の肌のカナダ選手が、大きな国旗をはためかせマットの周囲を駆け回る。ナイジェリア生まれの26歳、フリー69キロ級のイガリが、カナダにレスリングで五輪史上初の金メダルをもたらした。
「この6年間、このシーンをいつも考えていた」。ナイジェリアからカナダに移住したのが1994年。アトランタ五輪の出場は果たせず、このシドニー五輪にかけてきた。昨年の世界選手権で初めて頂点に立ち、飛躍した。
決勝では相手を攻め続けた。父は4度結婚し、兄弟は21人に上る。子供のころ、一つのベッドに3人で寝て、一つの皿を4人で使った。「早く食べないと生きていけなかった」。その厳しい環境の中でハングリー精神が培われた。
昨年、母親代わりに育ててくれたカナダの女性を、がんで失った。「この金メダルはその“母”にささげたい。夢がかなった」。表彰台の真ん中では子供のように泣きじゃくった。(共同)
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