3−7:羽毛恐竜、鳥類の起源か――研究、一気に加速

 「鳥は肉食の獣脚類という恐竜のグループから進化した」――。今年は鳥の恐竜起源説を裏付ける羽毛恐竜が発見されてから10年目に当たる。この間、様々な羽毛恐竜が見つかり、現在1万種以上いるといわれる鳥類の起源を解き明かす研究は一気に進んだ。

 羽毛をまとった恐竜が最初に見つかったのは1996年。中国・遼寧省にある熱河層群という白亜紀前期の地層から発掘されたコンプソグナトゥス類(1)のシノサウロプテリクスだ。

 2001年には内モンゴル自治区でネイモンゴサウルスとエルリアンサウルスという羽毛恐竜が見つかった。コエルロサウルス類よりも後に出現したテリジノサウルス類(2)だ。「羽毛を持ち、小さな翼を鳥のように側面にのばすことができた」と中国科学院古脊椎動物古人類研究所の徐星教授は指摘する。

羽毛恐竜の研究をする中国科学院古脊椎動物古人類研究所の徐星教授

 その2年後、4つの翼を持つミクロラプトル・グイというドロマエオサウルス類(3)の恐竜が熱河層群で見つかった。前脚と尾だけでなく、後脚にも羽毛があった。羽毛は軸の左右が対称でなく鳥と同じような風切り羽を持っていた。このため飛行能力を持っていた可能性が高いという。

 羽毛恐竜はコンプソグナトゥス類からドロマエオサウルス類へと進化する。その過程で羽毛は綿毛のような原始的な羽毛から左右非対称で複雑な構造の羽毛へと変わり、機能も体温の保持から飛行の補助へと進んだのではないかと考えられている。だが議論はまだ続いている。

 もっとも、鳥の恐竜起源説には疑問の声もある。早期の鳥類とされる始祖鳥は1億5000万年前のジュラ紀後期に出現しているのに、鳥類に最も近いと考えられるミクロラプトルはジュラ紀よりも後の白亜紀の地層からしか見つかっていないからだ。今後、ジュラ紀後期よりも古い地層から鳥の特徴を持った羽毛恐竜の化石が見つかれば、鳥が恐竜から進化したという説はこれまで以上に強く支持されることになりそうだ。








「世界の巨大恐竜博2006」“生命と環境−進化のふしぎ”
◇会期 2006年7月15日(土)〜9月10日(日) 会期中無休
◇会場 幕張メッセ 国際展示場(千葉県美浜区)
◇主催 日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーション、日経ナショナル ジオグラフィック社
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