2−2:T・レックス、最新の研究成果
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| | 米ブラックヒルズ地質学研究所のピーター・ラーソン所長 | |
最大の肉食恐竜、ティラノサウルス・レックス(T・レックス)の皮膚や血管の細胞が発見され、特殊な骨で雌雄が見分けられることが最近、明らかになった。ティラノサウルスを巡る最新の研究成果をまとめた。
世界で46体あるT・レックスの化石のうち8体を発掘したブラックヒルズ地質学研究所のピーター・ラーソン所長は、8体目の「ワイレックス」と名付けた首、尻、尾の近くから皮膚を発見した。6つ以上ある皮膚の断片は黒っぽい色の有機物で、大きさは1センチか2センチ角という。T・レックスで皮膚が見つかったのはこれが初めて。
ティラノサウルスの祖先で羽毛が見つかったことから、T・レックスにも羽毛があったか否か議論になっている。T・レックスのように大型になると体温が上がり過ぎたときに熱を逃がすのが難しくなるため、うろこで覆われていたという説が有力だ。皮膚を調べることで、こうした謎が明らかになると期待されている。
ノースカロライナ州立大学のメアリー・シュバイツァー博士はT・レックスの後ろ脚の骨についた鉱物を化学的に溶かし、髄様骨という特殊な骨組織があるのを確認した。髄様骨はメスの鳥が産卵するときに足に沈着する。卵の重要な成分であるカルシウムの供給源にもなっている。現在のダチョウやエミューなどのメスの骨を調べたところ、非常に似ていることがわかった。
ラーソン所長はT・レックスの化石骨格には、がっしりしたタイプと華奢(きゃしゃ)なタイプがあることに気づいた。この差は雌雄の違いによるもので、骨盤ががっしりしているタイプを雌と考えてきた。髄様骨はがっしりしたタイプから見つかっており、見分け方が正しかったことを裏付けた。シュバイツァー博士は血管や赤血球のような組織や、骨の軟組織も見つけており、現在、分析を進めている。
T・レックスの近縁種であるゴルゴサウルスの頭蓋骨(ずがいこつ)の中で、変わった骨が見つかった。ラーソン所長が病理学者らと共同でこの骨を調べたところ、現在の馬などで見られる脳腫瘍(しゅよう)の跡であることがわかった。恐竜が脳腫瘍にかかったことを示す初めての証拠だ。脳腫瘍のほか疲労骨折や感染症の跡も見つかっている。痛風にもかかったと考えられている。
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