主催者に聞く「モーターショーの見どころ」


 前回は152万人が来場したという日本最大規模の展示会「東京モーターショー 」。主催する社団法人自動車工業振興会の小宮好雄専務理事に、今月25日から一般公開される今回のショーの見どころや目的などを聞いた。
(インタビューは編成部・渡辺善久)


−−今回の展示会では各社の小型車やRV(レクリエーショナル・ビークル)、電気自 動車などが話題の中心になると予想されています。

小宮 個人主義の発達した欧米では、自動車という空間が家族の共有スペースとして確立されつつある。日本も家族構成やライフスタイルなど様々な変化によって、従来のセダンからRVやライトウエイトスポーツなど選択肢が広がった。20世紀はいわば「自動車の世紀」でもあり、自動車は生活に不可欠な道具であると同時に環境問題への対応も重要な課題となっている。そういう意味ではセダンもコンセプトカーも低公害車も全てがポイントといえる。モーターショーは約800台の展示車があり、次世紀への提案という意味ではRVや小型車も1つの提案に過ぎない。

−−9月に開催されたフランクフルト自動車ショーなど海外のショーとの違いは。

小宮 自動車関連の展示会で152万人(最高は91年の201万人)という動員は圧倒的で他にない。パリ・ショーで108万人、フランクフルト・ショーはそれ以下だ。しかし、展示スペースでいえば、パリは東京の倍、フランクフルトは3倍近い。快適に見学できるという点では、東京は問題を抱えている。動員数で競うのではなく、来場者が満足することが重要だ。日本企業が次世紀の自動車のあり方などを、世界に向けて情報発信できるという面では十分機能していると思う。

−−主催者として来場者が楽しめるよう工夫した点は。

小宮 テーマ館での特別展示で「思い出の名画を彩ったくるまたち」と題した実車と映画の共同展示を行う。主催者として一つの試みだ。各地の自動車博物 館や配給会社などの協力で17作品が集まった。ぜひ足を運んでほしい。また、JRやバス会社の協力で京葉線の臨時列車やバスを確保した。会場内は、仮設売店や託児所、休憩スペースを配置するなどした。午後4時以降の入場料割引(一般 1200円→1000円、小中学生600円→500円)も幕張開催になってから初めての試みだ。

−−カーナビゲーションシステムや移動体通信、VICSなどの情報通信システムもカーユーザーの注目を集めています。

小宮 モーターライフを快適・安全にするという意味では歓迎だ。最終的にはコスト負担するユーザーの判断になるが、渋滞が苦手なドライバーは高いコストを支払ってでも渋滞情報用の機器を備えるし、苦手でないドライバーは見向きもしないだろう。車内は閉ざされた空間であり、こうしたシステムが精神的なゆとりをもたらすという意味で安全運転につながればいいと思う。

−−安全性能を各国のメーカーが競っていますが。

小宮 国や地域によって安全基準が異なっており、全ての安全基準を満たすとしたら製造コストは相当上がるだろう。世界中の各メーカーが程度の差はあれ、安全性を念頭に置いて設計している。そういう意味で各国のメーカーが競争するのは当然のことだ。



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