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(7) 終わりに
私の日本訪問は今回で2回目にすぎず、現在の経済問題について判断を下したり、具体的な解決策を提示するのはまったく厚かましいことであろう。最後に、私が長期的には楽観的だと考える幾つかの考察を述べておくことにする。
経済に関する現在の懸念を検討すると、今日の日本では以下の3つの投資環境が経済のパラドックスを作り出しているようである。a)世界最大の貯蓄額、b)世界規模で技術革新と競争を行う能力を常に示してきた、教育・技術水準の高い人々、c)世界の多くのオブザーバーによる、日本の投資機会は世界のほぼ全地域と同等またはそれ以上であるとの確信。日本における投資銀行や資産管理資源の巨大かつ継続的な成長によってこの見方を裏付ることができる。
私はこのパラドックスの解決について確信しているわけではないが、大部分は金融システムの構造改革によって解決できるという強い信念を持っている。確かにたいへんな仕事ではあるが、最終的には達成可能な仕事である。この点に関連して、私は金融を機能的視点から見る方法論や金融工学の手法が、民間、国家、家計などすべての経済主体がより効率的に金融活動を行うための解決策を与えるということを強調したい。これらの主体がどのような組み合わせであるかについて、イデオロギー的な問題はない。金融界が国家機関中心であっても、民間主導であっても、また、その組み合わせであったとしても金融工学が重要な分析ツールであることに変りはない。金融工学とは、いつ、どのような体制の下でも金融という機能をよりよく実現するために役立つだろう。
金融システムの改善が最先端の金融工学によって設計された場合、日本は効率面で既存のシステムを凌駕することができる。金融工学はこれを達成するのに中心的な役割を果たすであろう。
先進国の中では特に日本、EMU欧州が、また多くの新興国がともに金融システムの大きな改革に取り組んでいる。こうした状況に照らして、私は一つのことを確信している。21世紀は、金融と金融工学にとってエキサイティングな時代になるということである。
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