日本エンジェルズ・インベストメント(NAI、東京・港、井浦幸雄社長)は、ベンチャー企業を支援する個人投資家(エンジェル)が集まって設立したベンチャーキャピタル(VC)。ベンチャー企業の発掘から実際の投資、経営支援まで、個人では手が回りにくい業務を手がける。エンジェルに効率的で円滑な投資の機会を提供する。
11月20日、東京・渋谷の東京中小企業投資育成で、起業家によるエンジェル向け説明会が開催された。10人のベンチャー経営者が200人を超える個人投資家に事業計画を発表した。19回目を迎えるこのイベントを主催したのは任意団体の日本エンジェルズ・フォーラム(NAF、東京・港)。NAIの設立母体となった組織だ。
NAFは1999年暮れ、当時スイス・バーゼル在住だった井浦氏の呼びかけをきっかけに発足した。井浦氏は日銀出身で同年夏まで国際決済銀行(BIS)に勤務。知人にベンチャー企業を支援するエンジェルが多かったこともあり、日本経済の再生にはエンジェル活動の活性化を通じたベンチャーの育成が欠かせないと考えていた。
井浦氏の呼びかけに応えた個人投資家(現在正会員115人)を組織し、NAFは発足。ただ、個人での取り組みには限界がある。資金はあってもベンチャーに対する目利きや支援の専門知識が足りない場合が多いからだ。
そこで、活動の両輪とすべく設立したのがNAIだった。井浦氏のほか、企業経営や会計、資金調達などの専門知識を持つメンバーや大企業経営の経験者らが取締役になった。現在、正会員ら60人強が資本金2億5000万円を出資している。
NAIの活動の中核は、特定のベンチャー企業に投資対象を絞り込んだ「ターゲットファンド」の設立。NAFの交流会で発表したベンチャー企業に投資したいと思った会員エンジェルがいた場合、NAIはそのベンチャーに投資対象を絞り込んだファンドを設立する。個人会員は株式投資に関する面倒な手続きが省ける。エンジェルの出資分にNAIも資金を上乗せして、ベンチャーに資金を供給する。
投資後はNAIがNAFの会員らから選抜・認定した「プロエンジェル」が投資先ベンチャーの面倒をみる。プロエンジェルは会計や法律、営業などの専門家で、現在25人いる。ベンチャー企業からの要請に応じて、NAIが派遣する。
これまでに、NAFの交流会で事業計画を発表したベンチャーは約200社。設立したターゲットファンドは約20に達する。ユニークなVCとして存在感は大きくなっている。
●日本エンジェルズ・インベストメントの主な投資先と業務内容
| ◎ビジネスオンライン(東京・中央、藤井博之社長) 会計ASPサービスなど |
| ◎シンクロ(東京・港、室木勝行社長) 非破壊検査技術 |
| ◎デックファイブ(東京・渋谷、吉田英治社長) ワインバー運営 | |
(ベンチャー市場部 上田敬)