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(2/12)4本柱武器に“平等の精神”で投資−−日本商工経済研
<b>宮本昌社長</b>
宮本昌社長
 「4本柱のサービスがうちの強み。このうち一つも欠かすことはできない」――。政府系金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)の関連会社、日本商工経済研究所(商工研)の宮本昌社長は語る。「4本柱」とは、ベンチャーキャピタル(VC)業務をはじめ情報・出版、セミナーの開催、そして経営相談・コンサルティングなどの事業を指す。商工研独自の会員を対象にこうしたサービスを提供、いわば囲い込む形で中小企業を育成する体制を敷いている。

 同社は1974年、商工中金の出版・情報や経営相談などの専門化を目的に設立された。VC部門が生まれたのは96年。新事業を立ち上げようとする中堅・中小企業向けの融資制度「イノベーション21」を商工中金が創設したことをきっかけに、投資業務にも注力しようと直接金融の分野を商工研に託したのが始まりだった。

 投資先は商工中金の取引先組合員に限定しており、前述した4本柱のサービスを享受するには商工研独自の会員制度にも加わることが必要となる。ただ、投資を受けるための前提条件ではなく、会員になるかならないかはあくまで投資先の判断。宮本社長としては「とりあえず会員に加わるよう勧める」姿勢で、同社が設立当初から実力を磨いてきた経営相談などのサービスに絶対の自信を持っている。現在の会員数は約2万2000人。商工中金の取引先の約4分の1だ。

 運営しているファンド(投資基金)数は1本、その規模は10億円。VC部門設立以降の累計投資社数は59社だが、上場にこぎつけたのは企業向けダイレクトメール(DM)発送業務代行のセプテーニ(東京・新宿)1社のみ。宮本社長はVC業務について「将来利益を出してくれれば、今は少々赤字になっても他の部門で補える」と楽観的だが、中小企業の育成を重視する公的金融の一環としての位置づけのため「民間VCを差し置いてリーダーになれず、なかなか自分の意思通りにはいかない」とのジレンマも抱えている。

 一方、「協同組合の“平等の精神”に基づいて投資していく」(宮本社長)ことが民間VCにとって難しいのは事実。利益極大化を至上命題とし、公開直前のベンチャーに投資する傾向が強い民間VCとは異なり、成長初期段階から業種を問わず中小企業を支援・育成することは同社の使命でもある。「呼び水的な性格の投資にある程度重点を置く」と言うように、他のVCも出資に参加することを期待する。

 今年の上場件数の目標値は4、5件。現段階で上場が見込まれるのはバイオ関連ベンチャーのトランスジェニック(熊本市)で、昨年商工研は2000万円の増資を他のVC4社とともに引き受けた。今後の投資実績次第では第2号ファンドの設立も視野に入れているという。

 懸念していることは有望ベンチャーの発掘に関する情報収集面。商工中金の各支店から上場志向のベンチャーの情報が集められる仕組みだが「支店も債権分類などで忙しい」ことから、VC業務にどの程度協力してくれるか不安があるのは否めない。しかし宮本社長は「VC業務は景気が良くなれば開花する。それまで継続して種まきをする必要がある」と前向きに話す。今は投資業務における実力を高める段階。特色である会員制度をいかに上場実績に結びつけていけるかが課題だ。(ネット編集部 山本優)

会社概要
所在地東京都港区
代表者 宮本昌社長
設立時期 1974年12月
資本金 8000万円
役職員数 35人
[2月12日]
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