NIKKEI NET
 ニュース   マネー IT 住宅 就職 転職 経営 健康 ウーマン ENGLISH
記事 企業情報 人事 株価 ・詳細検索 ・ヘルプ
新聞購読申し込み
 ベンチャーキャピタルの素顔
(1/15)3種類のファンドを柱に投資事業多様化−−あおぞらインベストメント
<center><b>中谷行道社長</b>
中谷行道社長
 「投資事業を展開するに当たって3本の柱を立てている」――。あおぞらインベストメントの中谷行道社長は語る。「3本柱」とは従来型のベンチャーファンドと、特定事業に対象を絞ったファンド、それに企業買収専門ファンドだ。あおぞら銀行役員と兼任で2001年4月に就任した中谷社長はこうした投資事業多様化の旗振り役で、同業他社との差別化が収益を上げるのに不可欠だと考えている。

 「プロジェクトファンド」――。1998年に手掛け始めたこの耳慣れない名称のファンドはズバリ「企業にではなく特定の事業に投資する」。株式を保有すると、不況時には特に業績や財務体質の悪化など株価低迷につながる要素が多く売却益の見込みは立てにくい。一方、有望とみた事業へ運転資金を投資し、成果に応じて利益を受け取るやり方ならば損失を出す危険は比較的少ない。利益配分など細部にわたる契約事項の詰めや事業収益予測は煩雑でノウハウの蓄積に時間がかかるが、資金回収までの期間は株式投資に比べ短くてすむ。

 運用総額は約50億円。案件ごとに14本のファンドを組成した。投資対象はFC(フランチャイズ)事業向けと娯楽事業向けの2分野に集中。FC向けでは短時間で利用できる理髪店「QBハウス」7店舗の出店資金や洗車場「ウォッシュアンドリペア ジャバ」の開設資金に投資した。

 娯楽向けではゲームが主力だ。低価格で将棋やパズルなどを扱った「Simple 1500」シリーズは予想以上に売り上げが伸びた。投資額は1000万―2000万円だったが、利益は「その10倍前後」。このほかアニメ、音楽CD、映画、書籍にも展開。昨年12月21日発売の書籍「ホーキング、未来を語る」では出版費用1億円の半額を投資した。今月19日公開のタイ映画「レイン」の買い付け資金投資も案件の一つだ。

 次の収益源にと期待を掛けるのは企業の買収・合併(M&A)などに資金を出す「バイアウトファンド」。技術はあるが後継者難などに悩む地方中小企業を対象に事業展開の余地は大きいと参入した。昨年11月にM&A専門会社など2社と組み専門ファンドを立ち上げ、今月末には20―30億円程度の規模に拡大する。ただ実際利益が見込める投資先候補は「現状で1―3件」と乏しい。先行する競争相手も多いだけに将来性は未知数だ。

 従来型のベンチャーファンドは5本を組成。運用総額100億円のうち現在までに40億円を200社に投資した。来期中に残高60億円分の投資も完了する計画。投資先候補には情報技術(IT)活用の既存産業やバイオ関連を挙げる。決して目新しくはないが中谷社長は「専門知識を持つ投資担当者を育てるのは一朝一夕にはいかない」と投資先まで多様化する気はない。

 今期の新規公開は現在、デジタル画像ソフト開発のセラーテムテクノロジー、マンション企画・販売のダイナシティなど5件で、ゲームソフト開発会社ディースリー・パブリッシャーも今月公開する。期末までにさらに2社が公開を目指す。来期も「15―16社を考えている」と強気だ。

 利益に至る道がそれぞれ全く異なる「3本柱」。なかでも事業特化ファンドへの展開は他社との差別化に寄与した。収益効率は高いとはいえ、その絶対額は通常のベンチャー投資に比べ小さいという難点もある。既存の柱を大黒柱に育て上げるのか、第3、第4の柱に軸足を移すのか。今後の展開で多様化路線の真価が問われそうだ。(ネット編集部 河野俊記者)

会社概要
所在地東京都千代田区
代表者 中谷行道社長
設立時期 1991年5月
社員数 7人
資本金 2000万円(あおぞら銀行が100%出資)
ファンド総額 200億円
[1月15日]

 当該企業の記事
 ベンチャーキャピタルの素顔
(2/19)ジャスダック上場でジャフコ追撃へ−−エヌ・アイ・エフベンチャーズ
(2/12)4本柱武器に“平等の精神”で投資−−日本商工経済研
(2/5)幅広い業種に投資、上場企業数トップに−−富士銀キャピタル
(1/29)“公開確率”でイチロー選手目指す−−UFJキャピタル
(1/22)企業価値拡大へ現経営陣を後押し−−ユニゾン・キャピタル
(1/15)3種類のファンドを柱に投資事業多様化−−あおぞらインベストメント
(1/8)伊藤忠・CTCと“三人四脚”で企業育成−−伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
(12/26)ブームに踊らず独立したVC志向−−新光インベストメント
(12/18)グループ戦略に乗り投資拡大へ−−オリックス・キャピタル
(12/11)MPU技術との相乗効果を追求・世界有数のCVC−−インテル・キャピタル
(12/4)1号案件“必勝”へ吟味重ねる−−GAP
(11/27)欧州VBの対日進出支援・携帯関連市場に照準−−レッドシャーナン
(11/20)グループ投資の先陣に・体制づくりも完了−−ニッセイ・キャピタル
(11/13)従来型サービス業に対象絞り込み・慎重姿勢が奏功−−アポロマネジメント
(11/7)日本のモバイル技術、海外へ橋渡し−−モバイル・インターネットキャピタル
(10/30)MBOでオーナー経営企業活性化−−ドイツ銀キャピタル
(10/22)日本のMBO市場拡大に期待−−スリーアイ
(10/18)2次買い取り市場拡大に期待−−英コラーキャピタル
(10/9)荒波の中、ナスダック上場へ−−フューチャーVC
(10/2)信金と連携、細かな情報フォロー−−信金キャピタル
 NIKKEI NET ▲ 上へ 
記事 企業情報 人事 株価 ・詳細検索 ・ヘルプ
 ニュース   マネー IT 住宅 就職 転職 経営 健康 ウーマン ENGLISH
(C) 2002 Nihon Keizai Shimbun, Inc. All rights reserved.