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(1/8)伊藤忠・CTCと“三人四脚”で企業育成−−伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
<center><b>井上裕雄社長</b>
井上裕雄社長
 「投資先の発掘・育成に、伊藤忠商事と伊藤忠テクノサイエンス(CTC)の存在は欠かせない」――。伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)の井上裕雄社長は同社の投資先の選別や経営支援が、伊藤忠とCTCとの“三人四脚”でこそ成し遂げられると強調する。

 ITVは伊藤忠が70%、CTCが30%出資して1年半ほど前に設立した。第1号ファンドの資金は83億5000万円で、このうち伊藤忠とCTCなど伊藤忠グループ計4社が50億円を出資。残りを新生銀行やあさひ銀行など金融機関計8社が出資した。これまでITVが投資してきたベンチャーは11社で、その業態は半導体や電子部品の電子市場運営会社など、いずれも情報技術(IT)関連企業ばかりだ。

 というのも、ITVの母体は伊藤忠の情報産業ビジネス部。この部では、伊藤忠の企業年金を投資資金とした国内IT関連ベンチャーへの投資・育成事業を「もう1つの事業の柱としていた」(井上社長)。井上社長をはじめITVの社員の多くが同部出身で、投資経験者らがITVに結集したというわけだ。

 ITVの投資先発掘には同部が営業活動を通じて吸い上げたベンチャーに関する情報が生きてくるほか、同部から投資案件を優先的に紹介してもらうことになっている。投資するか否か平均2―3カ月を費やす案件の調査には、技術面では「IT関連製品の市場動向を把握している」(井上社長)CTCを、サービス面では同部をそれぞれパートナーとしながら、“現場の目”を交えて精査する。

 投資先ベンチャーの事業育成やビジネスモデルの構築にも、伊藤忠とCTCとのパイプを最大限に活用している。例えば、投資先のWDM(光波長多重伝送)装置などの製品をCTCの販売網にのせたり、企業間電子商取引(BtoB)や消費者向け電子商取引(BtoC)などのサービスを立ち上げようとする投資先には、ポータル(玄関)サイトの「エキサイト」などを運営する伊藤忠の情報産業ビジネス部隊のノウハウを活用するといった具合だ。

 このほか、ITVは投資先の選別や事業育成で、オラクルやサン・マイクロシステムズ、シスコシステムズなど米国のIT関連企業の日本法人とも連携しているのも特徴。サンが開発したインターネット対応のプログラミング言語「Java(ジャバ)」の普及のため、ジャバを利用したソフトを制作するベンチャーを育成しようと1996年に組成された「ジャバファンド」に、伊藤忠とCTC、これら米国のIT企業が総額1億ドルを出資した。

 このファンドへの投資をきっかけに、日本でのITベンチャーの育成を旗印にオラクル、シスコ、サンの日本法人のトップがITVへの技術面でのアドバイザーとして名を連ね、ITVは投資先の紹介や選別で時折タッグを組む。投資先が開発したソフトの実証実験で大規模サーバーなどの環境が必要な場合は、例えば、無償でサンなどの技術評価センターを使用できる。技術が認められれば、これら日本法人との事業協力に発展する可能性もある。

 ITVはいまのところ、投資先の株式の新規公開(IPO)は果たしてない。IPO実現ははやくて、サービス関連会社で2003年ごろという。昨年は初値が公募価格を割り込むIT関連企業が多く、IT関連企業に対する投資家の目は一層厳しくなっている。投資家にとって魅力あるビジネスモデルを構築しているか、投資先のIPOでITVの手腕が評価されることになるだろう。(阿部百江)

会社概要
所在地東京都港区
代表者 井上裕雄社長
設立時期 2000年7月
社員数 5人
資本金 1億円
[1月8日]

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