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(10/18)2次買い取り市場拡大に期待−−英コラーキャピタル
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リタ・スプリンゲット日本代表
 「株価の低迷は株式売却益を得るという最終目的からすればマイナスだが、2次買い取り市場の拡大にはプラスだ」――。英コラー・キャピタルのリタ・スプリンゲット日本代表は、現在の株安をむしろ日本市場参入の好機ととらえている。株安で上場延期・中止が相次ぎ新規の未公開株投資が冷え込むなか、投資した未公開株を現金化したいという要請は逆に高まっているためだ。

 コラーが手掛ける2次買い取りは事業会社やベンチャーキャピタル(VC)が一度投資した未公開株式やファンドを運用の途中で買い取る手法。VCなどが既に支援している未公開企業の株式を買うため通常10年の運用期間に比べて短い期間で株式公開や企業買収・合併(M&A)に結びつけられる。慎重に買い取り対象を審査しさえすれば投資リスクも比較的少ない。株式市場が成熟している米国・英国ではこの手法は発達しているが、日本で専門にしているVCはまだほとんどない。

 だがここ1年の株安で、投資事業から撤退したいという事業会社や、ファンドの運用期間中だが出資者が資金回収を必要としているVCなど売却を望む投資家は増えている。買い取る側も、数年のうちに株式公開が見込める有望企業の株式を想定価格に比べ割安で買い取ることができ、ひいては株式売却益の確保につながる。

 コラーは2次買い取りでは欧州最大手。現在までに3本のファンドを立ち上げ合計10億ドルを運用している。カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)、米石油大手シェルの年金基金などから未公開株式を買い取った実績があり、近日中にも10億ドルの新ファンドを組成する予定だ。

 投資規模を急激に拡大しているコラーが買い取りの対象としているのは、2―3年で株式公開が可能で早期に出資金の回収が見込める未公開株・ファンドだ。ファンド出資者からその持ち分だけを買い取る場合もある。ただ2次買い取りでは通常のVCのように投資対象を自由に選べるわけではないため、査定基準は厳格。公開の可能性がないとみた案件には手を出さない。実際買い取りの段階まで行くのは「可能性があると査定をはじめた案件のなかで4つに1つ」(スプリンゲット代表)だ。

 買い取りを決めると株式公開や企業買収に導くため「エグジット・スペシャリスト(出口戦略専門家)」が経営を支援する。業種ごと、株式公開までの段階ごとに必要な知識が異なるため、数名の候補者のなかから最適な人材を送り込む。買い取りの段階で精査していることもあって、これまでの実績では平均2年半で出資金を回収できているという。

 スプリンゲット代表は7年間三菱商事の金融子会社で未公開株投資を担当していた。確定拠出年金(日本版401k)制度の導入で今後コラーにとって実績のある年金資産運用の需要も伸びるとにらみ、今年8月からは日本に常駐しはじめた。新ファンドの一部を日本にも振り向ける計画で、現在VC数社からの買い取りを検討している段階だという。

 日本ではまだなじみの薄い2次買い取りの市場だが、株安という環境と外資の参入を機に今後拡大していく可能性は高い。スプリンゲット代表も「今では2次買い取り市場規模世界2位の英国も、米国の投資家が参入したことが市場拡大の契機になった。日本が変わらないはずがない」と力説する。株式投資家のすそ野の広がりが前提にはなるが、外国VCが「クロフネ」になる日も近そうだ。

(ネット編集部 河野俊)

会社概要
所在地英国・ロンドン
代表者 ジェレミー・コラー社長
日本代表 リタ・スプリンゲット氏
設立時期 1990年
投資担当者 16人
[10月18日]
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