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更新:2009/07/02 (5/28)アメリカにおける研究開発動向(石戸 太氏)
この数年、日本経済の回復に伴い研究開発への注目度が高まっている。
アメリカにおける研究開発動向、新しい技術の発掘、新興企業の動きなどに加え、どの様な研究に米政府予算が流れているかなどの問い合わせ件数が急増している。 そこで、今回はアメリカにおける研究開発に関連したインデックスの一端をまとめてみた。
日本の研究開発費は米国の4割 アメリカを始めEU、日本、中国の研究開発費の比較をおこなってみた。 2006年、アメリカが研究開発に投じた金額は3,290億ドルで約40兆円、日本は1,280億ドルでアメリカの約40%に留まっている。 欧州連合、中国を入れると欧州連合の2,400億ドル、中国の1,360億ドルに次いで日本の研究開発費の順位は4位に甘んじる結果となっている。 但し、GDPに占める研究開発費の割合は、日本が最も高く3.2%、次いでアメリカ(2.6%)、欧州連合(1.8%)、中国(1.4%)の順位である。全米科学財団が発表している数値によれば、2006年の米連邦予算が968億ドル、産業分野では連邦予算の倍以上の2,230億ドルの研究開発費を投じていることとなる。
進行する研究開発の外部委託 アメリカ、EU、日本、中国は何れも海外での研究開発を行なっており、最も高い数値を示しているのがアメリカ(32.40%)、次いで欧州連合の23.6%、日本は中国(13.40%)に次ぐ12.60%で国内指導型の傾向を示しており、この点を反映してか国際特許取得件数では345,000件と最も高く、2位のアメリカ(169,000件)を大きく切り離している。
研究開発を外部の研究機関に委託している研究分野は、エネルギー産業が最も大きく全体の22%、次いで石油産業が14%と続き、化学薬品、コンピュータ、半導体、産業機器などの分野は10%前後、外部委託の最も少ないのが医薬品産業分野で5%に留まっている。この数年注目度の高いバイオ産業は自社開発思考が強いと云えるであろう。委託先としては、商業ラボ、大学関連への依存度が高く(27%、22%)、米国立研究所への委託が7%と海外の研究所への委託(5%)に近い数値を示している点に認識を新たにさせられた。また、大学への依存度は減少傾向を示している。
目線をシリコンバレーに移してみる。 シリコンバレーの景気動向が論議される際に、必ずと云って良いほど引き合いに出される点に「ドットコムバブルの崩壊」がある。しかし、1998年から始まった異常な投資は、シリコンバレー以外に集中していた点に留意すべきであろう。1998年全米のVC投資金額は200億ドル(2.5兆円)、この数字が2000年時には1200億ドル(14.6兆円)に膨れ上がった。この間、シリコンバレーでは50億ドルから200億ドルへ増大するに留まっていた。VC投資の内訳を見る場合、バブル沸騰の時期には海外投資比率が79%を占めていたが、2005年時までにはこの数値も73%へと減少している。2002年以降、シリコンバレーの投資金額は50億ドル前後に落ち着いている。
VCの投資先としては、ソフトウェア、半導体、医療機器、通信機器、バイオなど上位5位は堅調な推移を示しているが、ネットワーク関連、ITサービスは2001年以降大きく減少傾向を示している。逆に大きく拡大しているのが環境(エネルギー)関連への投資で、2001年比776%といった伸びを示しており、既にITサービスを抜きメディアエンターテイメント、ネットワーク関連への投資金額に近づきつつある。しかも、2006年Q1における投資金額の0.4億ドル程度はQ3には3億ドルに拡大している。
今回のコラムでは、研究開発規模の比較、加速する外部委託、7割を超える海外からのシリコンバレーへの投資、バブルを迎えている環境関連ビジネスへの投資などのインデックスを拾い集めてみた。外部委託研究比率が最も高いエネルギー産業領域、日本の研究開発費の2倍以上のアメリカは3割を超える研究を外部に委託し、国立研究所とほぼ同じレベルの研究が海外へ委託されている。これらの数値をミキサーにかけ、どのようなチャンスを絞りだすかは読者の置かれているビジネス領域により異なってくるものと思われるが、環境を軸とする場合、アメリカと日本がそれぞれ得意とする分野が大きく異なる点においてビジネス潮流は加速するものと思われる。
※「海外トレンド」は、米国シリコンバレーでベンチャー企業関連のコンサルティングや情報収集に携わる日本人ビジネスマンによる現地からの最新情報を中心に、海外各地のベンチャー企業の動きを紹介するコーナーです。
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