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更新:2009/07/02 (4/24)アメリカにみる太陽光エネルギーへの振興政策(石戸 太氏)
ドイツ、日本、米国の3国が世界市場の88%を独占している太陽エネルギー市場において、ドイツ、日本に大きく水を開けられた米国は市場奪回を目指し様々な振興政策を打ち出している。
地球温暖化ガスの排出量削減、自国におけるエネルギー自給力の確保と云った背景から再生可能エネルギーへの関心が急速に高まっている。1995年から2004年までの10年間、世界の太陽光エネルギー生成量は年率平均32%の伸びを示しており、特に2004年は前年比45%といった際立った数字を示している。アメリカにおけるエネルギー消費量は1993年以降上昇傾向を示し、特に2007年以降から著しい消費増加が見込まれている。
エネルギー消費量を燃料別に捉える場合、石炭を原料としたエネルギー依存は2005年を境に全エネルギー消費量とほぼ並行する傾斜で拡大傾向を示している。天然ガス、原子力は2016年から2019年を境に消費量の伸びは上限に達し、微量ではあるが2029年までの見込みはほぼ同一か、若しくは微量に減少傾向を示す。石炭の伸びと比較するとその傾向カーブは小さいが、水素を除く代替えエネルギーの消費量は、2029年に向け安定した伸びを示すものと予測されている。
太陽光エネルギー、バイオマス、風力、燃料電池などといったクリーン?エネルギー世界市場は2015年までに4倍以上に拡大し、1,672億ドル規模に拡大し、太陽光エネルギーは全体の30%を占めるものと見込まれている。
一方において、アメリカの太陽光発電セル製造市場占有率は、世界市場全体の8.75%に留まっているといった厳しい数字が示されている。2029年に向け拡大するアメリカのエネルギー消費、微量ではあるが代替えエネルギーによる供給増が見込まれているが、実情は日本と欧州に大きく遅れをとっている。この状況を打破すべく、米エネルギー工業界は「太陽光エネルギー産業ロードマップ」を打ち出している。このロードマップは、2004年9月にDOE Energy, Office of Energy Efficiency and Renewable Energy, Solar Energy Technologies Program の協力の下にPV、インバータ、システム、機器、材料などの製造メーカに加え、電力事業者、大学、太陽光エネルギーの開発、ポリシー策定者などが参加し、作成されたものであり、「2030年を目標にアメリカにおける太陽光エネルギーの競争力、市場、供給源を確立し、2025年迄にアメリカの新しい電力生成量の50%以上を太陽光エネルギーから生成する」といった目標を立てている。
この目標数値を達成すべく着手されているプログラムに、「ソーラー・アメリカ・イニシアティブ」がある。このイニシアティブを通じ「2015年までに産官学、国立研究所、州、その他の公共機関との連携を図り太陽光エネルギーの市場競争力を確立し、集中型集熱システムに関する既存の研究、新たな研究を継続することにより2020年までに集中型集熱システムの市場競争力を構築する」といった振興政策を打ち出している。
また、DOEは全米50州への働きかけ、並びに電力事業者を対象とした促進活動をおこなっている。 “State and Utility Solar Technical Outreach”と呼ぶ取り組みは、州レベルで成功した事例をより多くの州に普及すべく、DOEが仲介役を務め州ごとに異なる個別の課題に対し、全体を把握しているといった立場にあるDOEが支援を提供する事により、米エネルギー工業界の掲げる目標を達成しようとするプログラムである。
再生可能エネルギーやエネルギー効率に関する研究を行なう国立研究所としてアメリカの研究所の中でも主幹的な立場にある米国立再生可能エネルギー研究所が中心となり200億円相当の予算規模で推進されている振興プログラム、日本の「エネルギー・イノベーション計画」の予算と比べる場合遥かに少額ではあるが、2015年を目指したイニシアティブは着手されたばかりである。
※「海外トレンド」は、米国シリコンバレーでベンチャー企業関連のコンサルティングや情報収集に携わる日本人ビジネスマンによる現地からの最新情報を中心に、海外各地のベンチャー企業の動きを紹介するコーナーです。
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