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世界情報通信サミット2003
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セッション3 「IT新ビジネスへの挑戦」
将来の成長市場つかめ
「IT新ビジネスへの挑戦」をテーマに討論するパネリストら(19日午後、東京国際フォーラム・ホールC)
 世界情報通信サミットのセッション3では「IT新ビジネスへの挑戦」と題し、日米アジアの起業家、投資家が新事業の創出や技術の方向性などについて討論した。司会は町田敏生・日本経済新聞社産業部次長。

 司会 ITバブルが崩壊、需要が低迷する中で、事業環境の現状と技術革新の方向性をどう見る。

  当社はドットコム企業を中心に、IT基盤を提供している。これまでに都市規模に広がる5つのLAN(構内情報通信網)を構築、提供した。韓国では200のドットコム企業にIT基盤にかかわるサービスを提供している。特にオンラインゲーム企業のアジア地域のハブとして活躍したいと考えている。韓国では人口の70%がブロードバンド(高速大容量)サービスを利用できる。

 マー 「アリババ」という当社のウェブサイトは、世界の中堅企業にオンラインで輸出入するための支援をしている。中国はWTO(世界貿易機関)にも加盟。今後はアリババの認知度も高めたい。

 欧米のBtoB(企業間取引)企業は大手企業へのサービスが中心だ。しかし、小規模の企業を助ける存在も必要。その結果、現在は102カ国でアリババのサービスを利用してもらっている。売上高、利益ともに2ケタの伸びを14カ月以上も続けている。今年は日本に集中して事業を拡大したいと考えている。

 アラエ センティリウムは1997年の設立で、ブロードバンド通信への対応を進めてきた。高密度で低消費電力なインターネット通信向け機器のチップセット「DSL」で販売を伸ばし、3年後には株式を公開した。2001年には黒字化している。これだけ早く黒字化したのはシリコンバレーでもまれだ。

 米国の典型的なベンチャー企業はまず国内市場向けの技術を開発して米国内で販売する。我々は違う。最初から世界的に関係を築き、製品開発やマーケティングでも世界全体を意識した。ADSL(非対称デジタル加入者線)向けのチップでは日本で最大手で、世界では2位だ。多くの企業にとって2003年の先行きは厳しいが、投資への意識は前向きになっている。我々も将来のために投資をする時期だと考えている。

 荒川 ACCESSは1984年の設立。現在のようなネットワークに注力し始めたのは86年だ。同年TCP/IPに準拠したソフトを開発、それ以来ネットワークをキーワードにやってきた。日本が強みを持つ家電がネットにつながる時代が来れば必ず勝てると考えた。

 93年ごろにブラウザー(閲覧ソフト)に注目。携帯電話用の閲覧ソフトをNTTドコモに持ち込んで採用が決まった。99年2月の「iモード」開始を受けて、急激に普及した。現在、携帯電話やカーナビ、ファクス、デジタルテレビなど、200機種に当社のソフトを搭載している。今年あたりから冷蔵庫、洗濯機、などにもネット対応の機能が搭載されるだろう。

 今後のネット社会では、個々の情報機器がネットにつながるのは当たり前。各機器同士が接続できる機能も提供してサービスに役立てたい。ネット家電の進化は、私が創業時に想像していた通りに進んでいる。

 大澤 当社は米シリコンバレーに本拠地のあるベンチャーキャピタルで、総額200億円の資金がある。ITの中でも半導体を含む部品、ソフト、通信システムなどに注視している。投資基準としては市場規模が十分にあるか、参入障壁が高いかどうかなども重要視している。

 ネットバブルの崩壊後、シリコンバレーの多くの企業で株の流動性が低下、株式公開ができなくなった。ベンチャーキャピタル数もピーク時には全米で1000社あったようだが、今後2、3年で半分以下になるといわれる。一方、投資コストは下がり、この20年で最高の投資機会ともいえる。

 日本でベンチャー企業の育成を進めるには、資金調達や人材育成などの仕組みを整えることが必要だ。また大企業がベンチャー企業のパートナーとして技術を採用したり、人材や技術の交流を進めることも求められる。

 司会 どのようなビジネスモデルや技術を目指すのか。

 マー 顧客の真のニーズがどこにあるかを考えていく。170万社が当社のサイトを使っている。技術と資金、人をいかにまとめていくかが重要だ。

  ドットコム企業にとってオンラインで確実に利益を上げるには、どんな価値を利用者に提供できるかを考える必要がある。当社はアジアの「ハブ」としてオンラインゲームサービスを提供する方針だ。オンラインビジネスの将来は明るいと考えている。

 アラエ 技術の転換点をうまく見つけることが肝要だ。例えば米シスコシステムズは、1980年代にインターネットがビジネスで活用されることをきちんと理解していたから成功した。これからも同様の変化は起きる。3年後のビジネスを見据えて現在の投資を考えている。

 司会 日本と米国とのユビキタスネットワークの形態の違いは。

 荒川 ユビキタス社会では日本は先進的な実験場になりうる。通信インフラが発展し、1億人を超える人口を抱え、強い製造業がある日本で実証できれば、そのモデルは世界のどこでも成り立つ。米国はおそらく製造業が少なかったからパソコン以外をネット端末にしようとしなかったのではないか。日本と米国は対極にあるが、インフラを意識せずに使えるようになった時に初めてユビキタス社会が成熟したといえる。

[3月31日/日本経済新聞]

パネリスト
荒川 亨氏 ACCESS社長
ジャック・マー氏 アリババ・ドット・コム創立者、CEO(中国)
蔡 昇 龍氏 エンタープライズネットワークス社長(韓国)
大澤 弘治氏 グローバル・カタリスト・パートナーズ マネージング・プリンシパル兼共同創設者(米国)
ファラジ・アラエ氏 センティリウム・コミュニケーションズ共同創業者兼CEO(米国)
司会
町田 敏生 日本経済新聞社編集局産業部次長
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