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IT分野、日中韓協力重要――北米規模の経済圏築ける
董 雲 庭氏董 雲 庭氏
中国電子情報産業発展研究院会長
 中国の情報通信産業は急速に発展している。電子機器産業の規模をみると、2002年の生産高は2150億ドル(約25兆8000億円)で、売上高は1690億ドルと世界有数の規模に育った。

 電子部品の製造業はこれまで非常に速いスピードで成長してきた。1989年から昨年までの13年間で成長率は年平均30%と中国のGDP(国内総生産)成長率より高い。さらに昨年の輸出額も920億ドルと中国全体の28.3%を占めるまでに発展した。同業界の貿易黒字は68億ドルで同24%だ。

 電話の利用者は4億2000万人で普及率は33.5%となっている。携帯電話の利用者は2億人を超え、固定電話の2億1390万人とほぼ同数。今年6月までには逆転するとみられている。世界でみても中国の移動通信のネットワークの規模と利用者数は世界1位、通信量も2位になるだろう。

 インターネットの利用者も半年で2倍になっており、昨年末時点での利用者数は5910万人で中国全人口の4.6%にあたる。

 こうした状況を受けて通信事業者(キャリア)も成長を遂げている。昨年の各社の事業規模は512億ドルで、中国のGDPの4.5%に相当する。ただ今後、キャリアの売上高は過去数年のような急速な伸びは期待できないだろう。

 今後の携帯電話の利用者は2005年に3億8000万人に、2007年には4億3000万―4億4000万人程度になるだろう。端末の生産量も2001年の8714万台から昨年は1億3000万台にまで増えた。さらに今年は1億4000万台にまで伸びる見込みだ。

 現在普及している携帯電話のうち、60%が北京や天津、上海など東部沿岸地域に偏っている。したがって将来は携帯電話市場としては西部地域が有望ではないだろうか。

 携帯電話を使ったデータ通信に関して中国は遅れており、キャリアの収入全体の4%にすぎない。ただその中でも短い文章をやり取りする「ショート・メッセージ・サービス」の2002年の収入が前年の五倍と急成長しており、今後も好調に推移するだろう。同時に固定電話を使った同様のサービスも予定されており、今年中には提供が始まるとみている。

 ネットワーク上で流通するコンテンツ(情報の内容)も今後、非常に重要になるのではないか。パソコンも昨年末で3900万台と急成長を続けている。ネットワーク上の電子出版物やゲームなどが必要で、今後は巨大なコンテンツ市場ができる可能性もある。

 一方で電子商取引(EC)はまだ十分に普及していない。インターネット利用者は5900万人以上、サイトも37万以上あるが、利用者のネット接続時間は1週間に10時間弱しかない。とはいえITバブル崩壊の影響を受けながらも、中国の主要なECサイトは黒字転換を果たしており、収益は今後も伸びていくだろう。

 問題点もある。まずソフトとハードのバランスが取れていない点だ。米国のソフト産業の売り上げが製造業全体の30%を占めるのに対し、中国は7%に過ぎない。中国で生産される携帯電話の半導体チップやソフトはいまだに輸入に依存している。研究開発能力も不十分だ。

 今後の情報通信産業は中国政府の支援のもとで発展していくだろう。政府は同産業の発展を重視している。政府は同産業を基幹産業の一つに育てる方針だ。

 これからは日本と韓国、中国のIT分野での協力が重要になる。日本には先進技術や管理モデルがある。韓国は非常にち密な国として知られ、アジア金融危機を乗り越え、順調に成長している。こうした各国の利点と中国の購買力、労働力を組み合わせれば、北米に対抗できる東アジアの経済圏を築けるだろう。

[3月31日/日本経済新聞]

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