世界情報通信サミット2000
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ネット会議
セッション1 -「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス 」
デジタル放送・デジタル家電1
From: 中村 伊知哉
.Subj: 【1】日米のインターネット構造は別の道を進むのか
アメリカのPC-ケーブル型のインターネット構造に対し、日本はモバイルやテレビを軸とするインターネットの道を進むのか。5年後、日本が世界をリードする姿を展望できるだろうか。

※例えばこのような姿は成り立つでしょうか
・2メガ級は、アメリカではCATV-ADSLで実現し、日本はケータイで実現する
・100メガ級は、アメリカでは見通しが立たず、日本はFTTHとデジタル放送で実現する
From: 池田 信夫
.Subj: 【2】2メガ級と100メガ級
技術的な話ですが、携帯で2Mbpsは無理です。W-CDMAの2Mbpsというのは、一つの無線局を一人で占拠した場合の理論上の帯域で、最大384kbpsということになっているデータ通信も、保証されるのは64kbpsです。

FTTHはともかく、100Mbps級のインターネットを「デジタル放送」で実現することは不可能です。なぜなら、いま予定されている「データ放送」では、IPもHTTPもサポートしていないばかりか、HTMLの表示もできないため、インターネットと相互接続できないからです:http://www.wwvi.org/maps/bml-review.html

このインターネットから孤立した方式でデジタル放送が始まると、日本は世界から取り残されるでしょう。2月2日の日経新聞朝刊にも、デジタル放送が「ネット情報と融合」するという連載記事がありますが、これは誤報です。

From: 飯坂 譲二
.Subj: 【3】Internet2
Internet2があと数年実現しそうですが2.6Gbpi程度の速度になると聞いています。

この速度は単にこれまでのNetの高速化とは質の異なった応用が可能にします。アメリカ政府主導のインフォメーション・ハイウエイトは別で、科学技術の推進にかなりのインパクトがあると思います。
From: 池田 信夫
.Subj: 【4】帯域保証型のネットワーク
バックボーンなら、日本でもKDDの「テラビット・ハイウェイ」はIP over WDMでテラビット級を実現する計画で、NGIとかインターネット2の存在意義は疑問です。経企庁長官は「情報新幹線」とやらを唱えているそうですが、今や問題はバックボーンではありません。

英語のメーリング・リストにも書いたことですが、問題は「最後の1マイル」よりもむしろインターネットそのものをどう迂回するかです。現在のようなbesteffort型のネットワークは、しょせんテキストベースのウェブの世界のもので、われわれのやっているストリーミング配信にはまったく向いていない。

ここでは、Akamaiのようなキャッシング技術や通信衛星のような帯域保証型のネットワークが重要です。「デジタル放送」に使う予定のUHF帯などもインターネットに開放すべきです。

From: 古川 享
.Subj: 【5】インターネットとデジタル放送
【2】池田信夫
このインターネットから孤立した方式でデジタル放送が始まると、日本は世界から取り残されるでしょう。
郵政省のBSデジタルデータ放送委員会とARIBに約1年間参加して、孤軍奮闘して参りましたが、委員会の最終結論としてHTMLおよびインターネットの世界とは全く無縁の世界のどこにも存在しないXML・BMLなる方式を採用してしまったことを憂いております。会議中に四面楚歌で、会議の席では、「古川君、インターネットのような邪悪なものを放送の世界に持ち込まないでくれたまえ」とまで発言された方もおりました。

BSデータ放送における方式は、HTMLのタグは全く無視され表示もされないので、インターネットの世界で記述されたあらゆるコンテンツを全面書き換えをしない限り表示できない。という事実をご存知の方は、まだ少ないと思います。

上記に比べれば細かいことではありますが、
1. 書体の指定ができない
2. 画面はスクロールしないので、毎回表示を書き換える
3. 文字コード128未満は、JIS x0201 のみなので、チルダ、英文の著作権表示
  の「丸にC」などを表示できない。
  海外の著作権表示は、Copyright ウ 1999と必ず表示される。
  他の言語体系とのマップを考慮していないので、外字や中国語や韓国語、ア
  ラビア語などの表示方法が不明
4. ダウンストリームは20Mbps以上の帯域があるにも関わらず、アップリンクのモ
  デムスピードは、2400ボーである
5. パレンタル・コントロールなるものがあるが、これは、インターネットの世界で
  言うところのペアレンタル・コントロールと同じものらしいが。
  コンテンツの検索、第三者によるレーティング、ブラウザ内におけるアクセス
  の制限などのコンセプトと何ら合致するものでは無い。

BSデジタル放送には、「高精細なHDTV放送とその隙間を利用したデータ放送」と、それ以外に1トラポンあたり1Mbpsほどの帯域を利用するBSデジタル・データ放送があります。このの委託放送業務は、昨年12月に9社の選定がされました。
参入決定をされた方々はIPマルチキャストを含むインターネット中心のデータ放送を意識されているようです。
しかしながら、現状のBSデジタル放送受信機では、HTMLベースのコンテンツを受信できません。

HTMLブラウジングやハードディスクを利用したプッシュ型の放送は米国の複数メーカーで広範にサポートされつつあります。

それらの検討をしつつ、CS放送やケーブルTVなどの動きとも同期して、既存のテレビ放送とインターネットコンテンツの共存を目指したいと思います。
ホームバンキング、eコマースなどを含む双方向番組を育て、放送メディアの変革と新規ビジネスモデルの可能性を探っていきたいと思います。

モバイル以外の議論として「インターネットとデジタル放送」という側面からの皆様の議論をお待ちします。インターネットからストリーム放送へのアプローチ事例としては、http://rvsv-cus0.hi-ho.ne.jp/biztv/などご覧いただければ、解説なども視聴できますが、 http://www.bloomberg.com/jp/products/live_btv.htmlのブルームバーグにて300Kbpsを体験してみてください。
300Kbpsの映像とコンテンツは従来のインターネット放送を超越したメディアとなっていると体感いただけると思います。
他の事例は、以下に; http://windowsmedia.jp.msn.com/y/home.htm放送業界から、インターネットを取り込んでいこうという試みは、以下にあります。http://www.atvef.com

From: 池田 信夫
.Subj: 【6】携帯端末とデジタル放送
WWViも、この1年デジタル放送の問題に取り組んできましたが、日本の放送業界の既得権益にしがみつく排他的な態度は、かつての金融業界を思わせます。その運命も、このままでは銀行と同じ道をたどるでしょう。地上波の「デジタル化」を強行したら、日本の地方局の大部分は倒産する――と他ならぬ民放連が予測しているのです。

この問題は、みなさんが関心を持っているモバイルの発展にとっても大きな障害となります。現在の「BML」なる言語はHTMLブラウザで読めませんから、データ放送を携帯端末で受信することは将来とも不可能です。またデジタル・ラジオ放送の帯域(約400kbps)を使えばMPEG-4で携帯端末(W-CDMA)用のテレビ放送ができるのですが、それも禁止されてしまいました。理由は、テレビ局の既得権を侵すからです。

From: 鈴木 寛
.Subj: 【7】重要な政策提言
このことは、大変重要な問題です。是非、今回のサミットの重要な政策提言として強く世の中に訴えていくべきだと思います。

放送と通信の融合に遅れたら、折角、携帯でかなり、盛り返した日本の情報化がまた、10年遅れてしまうと思います。そうした、時代認識を広く関係者に共有してもらう大変いい機会だと思います。恐らく、郵政省の政策担当者のなかにも実は、内心そう思っている人は多いを思います。

From: 飯坂 譲二
.Subj: 【8】デジタル家電は何を目指すのか
アナログ家電をディジタル家電に対比しても意味がなさそうですし、いま身の回りの家電を見ても、殆ど、ディジタル・チップが内蔵されているので、今更ディジタル家電?ということになります。つまり、ネットと連結した家電ということになるのでしょうか。

個々の家電機器の制御には、いろいろとディジタル化されており、プログラムが組めるのも結構あります。外出先から、家電機器の制御が始まり、費用の点でも普及するのは、時間の問題です。すると、ネットと結びつけた家電というのは、家庭用電気器具のもつ機能の高度化と、知的化なのでしょうか。

これからの家電の目指すところは、単なる現在の生活の便利さや娯楽を中心とした機器もさることながら、エネルギーや環境問題などを念頭においた、省エネ、地域および家屋内環境、ごみ処理、水の問題などの家庭内である程度処理できるクローズド・システムの実現をはかるものでなければならないと思います。

ECも、地球環境を意識した上での方向として考えたいものです。ECの普及が、エネルギー消費の削減や、地球温暖化問題の解決への一手段であることも事実です。身近な便利さばかりなく、我々の住む地球の将来に向けた議論を期待したいところです。

From: 藤原 洋
.Subj: 【9】求められているのは − 志と実力
少し抽象的で恐縮ですが、今、日本のインターネットにおいて求められているのは、マーケットと技術におけるリーダーシップ(「志」と「実力」)であるように思います。残念ながら、どちらへ行けば楽に儲かるかとか、乗り遅れなくて済むかといった取り組みでは、日本のインターネット構造の方向性を明確に導くことはできないように思います。かつて、NTTや郵政省のオピニオンリーダーの方々には、FTTHをやるんだという情熱があったように思いますが、最近少し揺れているように思います。またデジタル放送についても、BSデジタルの標準化委員会のメンバーなども

しましたが、通信業界やコンピュータ業界に、放送業界が侵食されるのではないかといった懸念の方が先に立って正面からの議論になっていない局面が多く見受けられました。
重要なのは、アメリカがこうだから真似しようとか、別のことをやろうとかではなくて、日本の現実をふまえた上での国際感覚のあるビジョンだと思います。

From: 中村 伊知哉
.Subj: 【10】テレビとインターネットの結合
ちょっと口ごもりながら申し上げます。
鈴木さんは10年と控え目におっしゃったけど、テレビとインターネットの結合に失敗したら、日本の情報化は死ぬと思います。

日本のコンテントの中核をなすテレビ番組をインターネットで流れるようにすること。使いやすい電波帯をテレビ携帯PCなどあらゆる端末で使える太いデジタル回線にすること。

こういう筋を形づくるのは「政治」の役割だと思うんですが。「行政」が利害調整をしているうちはスカッと打開できない。どっちもダメなら「ネット」の力、かな?

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