世界情報通信サミット2000
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セッション1

「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス」

開かれた標準カギ

 司会 デジタルデバイド解消にはどのようなことが課題となるか。

 オリラ 第一に使い勝手を良くすること。コンピューターのプログラミングはまだ面倒だし、パソコンも多くの人が使いこなせない。携帯電話が売れているのはマニュアルがなくても直感的に使えるためだ。

 第二にオープンな標準が欠かせない。消費者を相手にする場合、自社独自の技術は問題解決にはならない。他社と協力し、使い勝手が良く、低コストのサービスやアプリケーションを提供することが重要。それには共通の標準が必要だ。技術を自社、自国内に限るという地域主義は衰える。90年代半ばから日本で足場を築いてきたノキアも標準を採用してきた。iモードとWAP(ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル)という規格間で、協調が進んでいるのは歓迎すべきだ。

チャック・パリッシュ氏
 パリッシュ グローバルな標準は欠かせない。付加価値的なサービスは競争と革新に任せても、基本的な標準化は進めるべきだ。世界の電気通信企業を動かすのはグローバルスタンダードであり、最終的にはこれが普及する。

 有線のインターネットと同様、無線でも国際的で開かれたネットワークが存在することが望ましい。97年6月にはノキア、モトローラ、フォン・ドット・コムがこうした考えで一致した。DDIやNTTドコモはモバイルビジネスの成功という事例を実現した。iモードとWAPにしても融合が将来起こらないということにはならない。ドコモを含めた各企業ともいずれ融合の方向に進むと、私はかなり楽観的に考えている。

 小野寺 低コストのサービスを提供するには、グローバルな標準が重要だ。我々もアナログの携帯電話では英国方式を採用したし、cdmaOneという携帯電話を投入したのもその流れだ。

 だが、ノキア、モトローラ、エリクソンといった企業が日本市場に入ってきたのに対し、日本メーカーが海外にどこまで進出できたか。端末はともかく、モバイルのインフラはほとんど進出できていない。今後は日本メーカーも標準化に積極的に行動し、最終的には国内外で利益を上げられるようにならなければならない。そのためには、だれが主導権をとり標準化するのかが大きな問題となる。

 グリーン オープンスタンダードに関して二点言いたい。第一に膨大な創造性があること。モバイルにオープンな標準を導入すると、多くの人がこれを応用し、小さな企業でも多くの人材が必要になる。

 新技術を適正価格にし、メーカーが世界中で適正な製品に導入できるようにする必要がある。自由に新しいアイデアでソフトを開発できる環境が実現すれば、大きな成長を期待できる。重要なのは標準を適正なものにすることだ。

 第二にモバイルのネットワーク化には膨大な資本が必要になる。大きなリスクがある国・地域にまで、大きな資本を投下する企業がなければならない。投資する時期も遅すぎては駄目だ。独占企業体というものが存在せず、技術革新のスピードが速い現在、これは重要な問題となる。

 古川 一国でしか運用できない特殊なビジネスモデルは避けるべきだ。他国からの参入を阻害するし、日本企業の海外進出も難しくする。世界中があらゆるデバイスを接続することで、デバイスやアクセスの低廉化が進み、幅広い人々にサービスが提供されてこそ、デジタルの豊かな世界が実現する。

モバイル、EC普及の起爆剤

ネットで広がるデジタル家電

デジタル格差解消の手段

<パネリスト>
ヨルマ・オリラ ノキア会長兼CEO
小野寺 正 第二電電代表取締役副社長
ブライアン・ドワティー 米ウィンク・コミュニケーションズ社会長
チャック・パリッシュ 米フォンドットコム社執行副社長
古川 享 マイクロソフト代表取締役会長
アンディ・グリーン BT戦略・事業開発担当グループ・ディレクター

<コーディネーター>
関口 和一 日本経済新聞社編集局産業部編集委員兼論説委員

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