世界情報通信サミット2000
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セッション1

「モバイルとデジタル家電が拓く新ビジネス」

ネットで広がるデジタル家電

 司会 日本の場合、家電の領域で世界的な成功を収めた。これからはネットワークにつながるデジタル家電を新しいビジネスとして発展させることが、日本の成長につながる。デジタル家電がもたらす社会的なインパクトは大きい。家電製品は家の中を電化した。インターネットや携帯電話の登場で、今度は電子化と個人化がもっと加速していくだろう。

ブライアン・ドワティー氏
 ドワティー テレビは双方向的な情報化社会のなかで存在感が増していくだろう。先進国ではだれでもテレビを持っているし、発展途上国でも最初に買う家電製品はテレビだ。双方向テレビは情報化社会のメリットを提供できる非常に便利な道具だ。情報化社会に入る最初のとっかかりとして多くの人が利用できる製品だ。

 テレビの限界は消費者にとってメリットになる。多くの人々にとって、インターネットの情報量は多すぎて、役に立つ情報を選択するのは難しい。すべての人が高速のインターネットの接続が必要なわけではない。放送には編集機能がある。消費者が小さなバイクを望んでいるのなら、ジェット飛行機は与えるべきではない。

 双方向テレビがECを後押しする。米国の場合、テレビと電話を使った形の取引が200億ドルも成立している。テレビを見ていると電話番号の書いた広告が出てきて、視聴者は電話をかける。オペレーターに自分の名前と住所を伝える際に10ドルの費用が発生する。

 一方、双方向テレビでは、画面上の「購入」という場所をリモコンなどを使ってクリックすると、これで欲しい商品が購入できる。電話をかける必要がないので、消費者が支払うコストも安くなるし、放送側がそのシステムを展開するコストも小さい。

 グリーン 現在の家電のほとんどがネットに接続されることになる。ワイヤレスのリンクを通じて、ネットにつながるわけで、トースターや洗濯機などもすべてがネットにつながるようになるだろう。

 そうなると、携帯電話などのモバイルで身の回りの環境のすべてをコントロールすることもできるようになる。例えば、家に帰って寒ければ、携帯電話を使って暖房をつける。他人を自宅に入れたくない時は携帯電話を使ってロックする。インターネットによって、私たちの周りのほとんどすべてが変わってしまう。

 小野寺 無線通信企画のブルートゥースの可能性は大きい。周辺機器の融合が進むからだ。携帯電話とパソコンの間のケーブルがなくなり、コードレスでつながる。モバイルコンピューティングの環境が非常に手軽に提供される。しかし、携帯電話が家電と結び付いた時に市場は爆発的に大きくなる。家電にブルートゥースの機能が加わることで、携帯電話がリモコン代わりになる可能性もある。

 携帯電話の機能分離も進む。現在は携帯電話の中にイヤホンとマイク、ディスプレーなどを搭載している。ブルートゥースによって、無線機器、ディスプレー、マイク、スピーカー、記憶媒体が分離する。ライフスタイルに合わせて、携帯電話の形状が変化する。そしてブルートゥースはライフスタイル自体にも影響を及ぼすことになる。

古川 享氏
 古川 家電がネットワークの中で相互接続される時代はくるかもしれない。そんなデジタル家電の時代にはパソコンはいらなくなるという意見がある。しかし、オンラインとオフラインの中間に相当するようなコンテンツもあるし、様々なデバイスが存在する。

 かかってきた電話の内容をテレビでみて、文章で返事を書くためには、デバイスを非常に緩い形で相互に関連づけるということがますます重要になる。家電を自由に動かせるような相互接続された環境をつくる必要がある。

モバイル、EC普及の起爆剤

デジタル格差解消の手段

開かれた標準カギ

<パネリスト>
ヨルマ・オリラ ノキア会長兼CEO
小野寺 正 第二電電代表取締役副社長
ブライアン・ドワティー 米ウィンク・コミュニケーションズ社会長
チャック・パリッシュ 米フォンドットコム社執行副社長
古川 享 マイクロソフト代表取締役会長
アンディ・グリーン BT戦略・事業開発担当グループ・ディレクター

<コーディネーター>
関口 和一 日本経済新聞社編集局産業部編集委員兼論説委員

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