【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は4日、マサチューセッツ州のハーバード大学で講演し、企業や家計の物価見通しを示す「インフレ期待」が上昇していることについて「強く懸念している」と述べた。FRBとして将来のインフレへの警戒感を強めていることを示した形で、利下げ休止の姿勢が改めて鮮明になった。
同議長は原油の高騰で物価上昇と景気減速が同時進行した1970年代と、現在の米経済の状況を比較。前年比で平均3.5%程度の最近の物価上昇率について「(FRBとして)望ましい水準よりはかなり高い」と懸念を表明した。
ただ「物価上昇率が2ケタまで達した70年代半ばや80年よりはかなり低い水準にある」とも指摘。市場経済の進展など経済構造の変化により「70年代と現在では、はっきりとした違いがある」と分析した。
「70年代型の賃金上昇による物価押し上げの兆候もみられない」と強調。物価が広範にわたって長期的に上昇する可能性について否定的な見解を示した。