【ニューヨーク27日共同】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長が27日、国連安保理に行ったイラク査察の正式報告の要旨は次の通り。
▽ブリクス委員長
1、イラクは現在も(大量破壊兵器の)武装解除を受け入れていない。
1、安保理は追加的な報告を求めることができる。1月9日に行われ、暫定的に2月14日にも予定されている。
1、イラクは概してUNMOVICに協力し、査察したい場所に立ち入らせたが、監視などのためにU2偵察機の活動で問題があった。
1、イラクが提出した1万2000ページの申告書の大半は過去の文書の焼き直しで、疑問を払しょくする新しい証拠はなし。
1、神経ガスVXについて、イラクは「数トンしか製造せず、兵器には使わなかった。湾岸戦争後残った微量のVXも91年夏に廃棄した」と申告したが、相反する情報あり。兵器化の形跡も。
1、イラン・イラク戦争中の83年から88年にかけて、イラク空軍は1万3000個の化学爆弾を投下。一方で当時1万9500個の爆弾を使ったと申告。この差の6500個分の物質について説明されていない。
1、ロケット弾の化学兵器用弾頭を発見。マスタードガスの先駆物質を満載した実験室も発見。
1、イラクは8500リットルの生物兵器物質を生産し、91年に全量廃棄したと申告したが、証拠をほとんど提出せず。
1、イラクが申告量以外の炭疽(たんそ)菌を生産、廃棄したと主張する期日以後も保有していることを強く示す兆候。現存している可能性も。
1、イラクのスカッド・ミサイル保有で強い疑問。
1、ミサイルの「アルサムード2」は最長183キロ、「アルファタハ」は同161キロといずれも禁じられた射程150キロを超えている。
1、UNMOVICはイラクに禁止兵器があると推定はしないが、イラクにそうした兵器が存在しないとの推定もせず。
1、最近、科学者の自宅から濃縮ウランに関する文書を発見。文書が(査察逃れのために)個人の家に保管されているとの懸念を裏付けた。