オバマ米新政権誕生

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(4/23)オバマ米大統領の核軍縮演説内容(全文)

オバマ米大統領の演説(チェコ・プラハのフラッチャニ広場)
2009年4月5日
午前10:21(現地時間)

>>(英文の全文はこちら)

 ありがとうございます。この素晴らしい歓迎を感謝します。プラハの人々に感謝します。チェコ共和国の人々に感謝します。(拍手)本日、私は欧州の真ん中に位置するこの偉大な都市に立つことができて誇らしく思います。(拍手)そして、私の先輩の言葉を借りると、(妻の)ミシェル・オバマをプラハに連れてきた男となることを誇らしく思います。(拍手)

 大統領閣下、総理大臣閣下、すべての政府高官の皆さま、素晴らしい歓待に感謝します。そしてチェコ共和国の皆さま、米国への友好に感謝します。(拍手)

 長年にわたり、私は地元シカゴでチェコ人の付き合いやすさとユーモアを楽しんできました。(拍手)背後にあるのはチェコのヒーロー、マサリク(チェコスロバキア初代大統領)の像です。(拍手)1918年、米国がチェコ独立の支持を表明したとき、マサリクはシカゴの推定10万人以上の群衆を相手に演説しました。この記録に私は勝てません(笑い)が、私は彼の足跡をたどってシカゴからプラハに来たことを光栄に思います。

 1000年以上もの間、プラハはどこの都市とも違う道をたどってきました。戦争と平和を経験しました。帝国の興隆を見てきました。芸術や科学、政治や詩で革命を先導しました。そしてこのすべてを通じ、プラハの人々は自らの道を追求し、自らの運命を決めることを主張しました。そしてこの街、この古くて若い黄金の都市は、難攻不落の魂の生きた記念碑として立ち続けています。

 私が生まれたとき、世界は分断されていて、われわれの国は非常に違う環境にさらされていました。私のような者がある日、米国の大統領になると予想した人は少なかったでしょう。(拍手)米国の大統領がある日、このようにプラハの聴衆に向かって話すことが許されるようになると予想した人は少なかったでしょう。(拍手)チェコ共和国が自由な国になり、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国になり、統合された欧州のリーダーになると想像した人は少なかったでしょう。そのような考えは夢として片付けられたでしょう。

 私たちが今日ここにいるのは「世界は変わらない」という声を無視した人がたくさんいたためです。

 私たちが今日ここにいるのは、壁のどちら側にいようと、どのような外見であろうとも、すべての人々にとって自由は権利である、とリスクを取り立ち上がって言及した人々がいたからです。

 私たちが今日ここにいるのは、プラハの春、つまり純粋で理にかなった自由と機会の追求が、(こうした)人々の意志を倒すために戦車と兵器の力に頼る者を辱めたからです。

 私たちが今日ここにいるのは20年前、この都市の人々が、新しい日の約束と、あまりにも長い間否定されてきた基本的な人権を主張するために街に繰り出したからです。Sametova Revoluce(チェコ語でビロード革命)(拍手)、ビロード革命は我々に多くのことを教えてくれました。平和的な抗議は帝国の基礎を揺るがすことができ、イデオロギーの空虚さをさらすことができると教えてくれました。小国でも世界情勢で極めて重要な役割を果たすことができ、若い者でも古い紛争を乗り越えるに当たって先導的な役割を果たせることを教えてくれました。(拍手)そして道徳的なリーダーシップはどんな兵器よりも強力であることを証明しました。

 だから私は平和で団結し、自由な欧州の真ん中で話しているのです。それは普通の人々が、リーダー達が信じなかったにも関わらず、分裂は橋渡しされ得ると信じていたからです。壁は倒せると、平和が打ち勝つと信じていました。

 私たちが今日ここにいるのは、米国人とチェコ人が、今日のような日が来ることは可能であると、(当時は)予想しがたかったことを信じたからです。(拍手)

 今、私たちはこの共通の歴史を共有しています。しかしこの世代、われわれの世代は立ち止まることはできません。私たちも、選択しなければいけません。世界の分断は薄れ、より結合されるようになってきました。世界的な経済危機、気候変動、古い紛争のいつまでも続く危険性、破滅的な兵器の広がりと新たな脅威、といった出来事が我々の管理能力を超えるスピードで動くのを目の当たりにしました。

 これらの問題はいずれもすぐに、簡単に解決されることはありません。しかしこのすべての問題は、お互いに耳を貸して協力すること、時折の違いではなく共通の利益に照準を合わせること、我々を分裂させ得るどんな力よりも強い共通の価値観を再確認すること、を要求しています。これが、私たちが続けていかなくてはいけない仕事です。これが欧州に来て私が始める仕事です。(拍手)

 私たちの繁栄を取り戻すために、私たちは国境を越えた協調が必要です。これは雇用を生み出す投資を意味します。成長の妨げとなる保護主義の壁に抵抗するという意味です。不正と未来の危機を防ぐための新しいルールで金融システムを変えるという意味です。(拍手)

 そして私たちは、金融危機にほとんど無関係なのに最も苦しんでいる新興国市場や貧困層に手を差し伸べるという、共通の繁栄と共通の人道に対する義務があります。だから私たちは今週初めに1兆ドル以上を国際通貨基金(IMF)に拠出し、誰であっても、全員が何らかの支援を得られるようにしました。(拍手)

 そして今、この惑星を守るために、エネルギーの使い方を変える時です。(拍手)風や太陽のような新しいエネルギーの力を活用し、すべての国家が役割を果たすように呼びかけ、化石燃料への依存を少なくすることで、私たちは一緒に気候変動に立ち向かなくてはいけません。そしてこの全世界的な努力のなかで、米国が主導する用意があることを宣言します。(拍手)

 共通の安全保障を提供するため、同盟を強化しなければいけません。NATOは60年前、共産主義がチェコスロバキアを支配した後に設立されました。それは自由世界が分裂している余裕がないと遅まきながら学んだ時でした。そして世界で最も強力な同盟を築くために私たちは集まったのです。そして何年、何十年もの間、鉄のカーテンが除去され、自由が流水のように広がるまで私たちは肩を組んだのです。

 チェコ共和国がNATOに加盟して10年目になります。20世紀にはあなた方抜きに多くの決断が下されてきたことを知っています。大国があなた方をがっかりさせたか、あなた方の運命を意見を聞かずに決めてきました。米国はこの国の人々に二度と背中を向けることはない、と私は言いに来ました。(拍手)。私たちは共通の価値観や歴史(拍手)、同盟の不朽の約束で結び付けられています。NATOの(集団防衛条項)第5条は明確に述べています。一国への攻撃はすべての国への攻撃であると。これは今日の約束であり、永遠の約束でもあります。

 チェコ共和国の人々は米国が攻撃されたとき、その約束を守りました。何千人もの人々が米本土で殺され、NATOは反応しました。アフガニスタンでのNATOのミッションは大西洋の両側の人々の安全の基礎となっています。私たちはニューヨークとロンドンを攻撃した同じアルカイダのテロリストに照準を合わせており、そしてアフガニスタンの人々が自らの未来に責任を持てるように助けています。自由な国が共通の安全保障のために、提携できると実証しています。そしてこの努力によるチェコの人々の犠牲に我々は敬意を払い、亡くなった方の死を嘆き悲しみます。

 しかしどんな同盟も立ち止まることはできません。NATOの加盟国として私たちは一緒に協力し、新しい脅威がいつどこから来ても、それに対峙するために危機管理計画を用意しなければいけません。国境とは無縁の脅威と対決するため、お互いの協力を強化し、世界のほかの国や機関とも強化しなければいけません。そして私たちはロシアと共通の関心を持つ問題について、建設的な関係を築かなくてはいけません。

 今日、焦点をあてる問題は私たちの国の安全保障と世界の平和にとって基本的なものです。21世紀の核兵器の未来についてです。

 何千もの核兵器の存在は冷戦の最も危険な遺産です。米国とソ連の間に核戦争が交わされたことはありませんでしたが、世界がたった一つの閃光で消されるという知識を持って数世代が生きてきました。プラハのような数世紀も存在し、人類の美と能力を体現した都市が存在しなくなったかもしれません。

 今日、冷戦は消えましたが、何千もの兵器は消えませんでした。歴史の奇妙な転換点で、世界的な核戦争の脅威は減ったものの、核攻撃のリスクは高まりました。核兵器を獲得した国は増えました。核実験は続いています。核の秘密や核物質は闇市場で多く取引されました。兵器を作る技術は拡散しました。テロリストは核兵器を購入、製造、または盗むつもりでいます。こうした危険を防ぐ我々の努力は世界的な核不拡散体制が中心となっていますが、ルールを破る国や人が増えるにつれ、この体制が維持できない地点に到達するかもしれません。

 この点を理解してください。これはすべての人に関係します。一つの核兵器が一つの都市で爆発したとすると、例えニューヨーク、モスクワ、イスラマバード、ムンバイ、東京、テルアビブ、パリ、プラハであっても、何百、何千もの人々が殺されるかもしれません。どこでそれが起きようとも、世界の安全、私たちの安全保障、私たちの社会、経済、究極の生存、結果について終わりはありません。

 このような兵器の拡散は止められない、監視できない、より多くの国家や人々が究極の破壊兵器を持つ世界に住むことを運命付けられていると主張する人もいます。そのような運命論は極めて有害な敵です。なぜなら核兵器の拡散が避けられないと信じるなら、それはある意味核兵器の使用が避けられないと認めているようなものだからです。

 20世紀に自由のために立ち上がったように、21世紀にすべての人が恐怖から自由に生きられる権利のために一緒に立たなければいけません。(拍手)核保有国として、核兵器を使用したことがあるただ一つの核保有国として、米国は行動する道義的な責任を持っています。私たちは一カ国ではこの努力を成功させることはできませんが、リードすることはでき、始めることはできます。

 だから今日、私は明白に、信念とともに、米国が核兵器のない平和で安全な世界を追求すると約束します。(拍手)私は無知ではありません。ゴールはすぐには到達できないでしょう。私が生きている間には恐らく(難しいでしょう)。忍耐と粘り強さが必要です。しかし今、私たちは世界は変わることは出来ないという声を無視しなければいけません。私たちは主張しなければいけません、「イエス・ウィー・キャン」と。(拍手)

 私たちがたどらなければならない軌跡をまず説明しましょう。第一に米国は核なき世界に向けた確かな歩みを始めます。冷戦思考に終わりを告げるため、私たちは国家の安全保障戦略における核兵器の役割を小さくし、他国にも同じようにすることを促します。間違えてはいけません、こうした兵器が存在する限り、米国は敵国を抑止するために安全でしっかりした、効果的な(ミサイルの)保有量を維持します。そしてチェコ共和国を含めた同盟国を防衛することを保証します。しかし、私たちは保有量を減らす作業を始めます。

 弾頭と保有量を減らすために、新しい戦略兵器削減条約を今年ロシアと交渉し始めます。(拍手)メドベージェフ大統領と私はロンドンでこのプロセスをはじめ、年末には法的に拘束力があり、十分に思い切ったものである新しい合意が得られるように目指します。そしてこれが将来の削減のための舞台を整え、この努力ですべての核保有国が含まれるように目指します。

 核実験を世界で禁止することを達成するために、私の政権では包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准をただちに、そして積極的に追及します。(拍手)50年以上の話し合いをへて、核実験を禁止する時がきました。

 そして兵器の基礎となる部分をカットオフ(取り除く)するため、米国は、核保有国で使用される核物質の生産を検証可能な形で終わらせる新しい条約を目指します。もしこうした兵器の拡散を真剣に阻止するならば、核兵器に使える物質の生産を終わらせなければいけません。それが第一のステップです。

 第二に、核拡散防止条約(NPT)条約を協調の基礎として私たちはともに強化します。

 基本的な交渉の部分は理にかなったものです。核保有国は軍縮に向かい、核を保有しない国は核を取得せず、すべての国は核の平和的な利用は手にすることができます。条約を強化するため、いくつかの原則を採用しなければいけません。国際的な査察を強化するためにもっと多くの資源と権限が必要です。ルールを破ったことが明らかになった国や、条約から理由なく離脱しようとする国に対する実質的で迅速な代償が必要です。

 そして民生用の核協力について新たな枠組みが必要です。それは国際核燃料バンク(核燃料の国際管理構想)を含み、国家は拡散のリスクを高めずに平和的な原子力にアクセスすることができます。それは核保有を放棄するすべての国、特に平和的な計画に着手している途上国の権利であるべきです。そしてルールに従う国家の権利の否定がもととなるならば、どんなアプローチも成功しません。気候変動と戦うために、すべての人のための平和的な機会を促進するために、私たちは原子力を利用しなければいけません。

 しかし私たちは幻想を持って進んではいけません。いくつかの国はルールを破るでしょう。だから、どんな国がそうしても、例外なく代償に直面する構造が必要なのです。

 つい今朝、この脅威に対して新しくもっと厳しいアプローチがなぜ必要かということを思い知らされました。北朝鮮が長距離弾道ミサイルに使うことができるロケットを発射することでまたルールを破ったからです。この行為は、われわれの行動が必要であることを浮き彫りにしています。それは今日の午後の国連安保理だけでなく、こうした兵器の拡散を阻止する決意もそうです。

 ルールは拘束力がなければいけません。違反は罰せられなければいけません。言葉は意味を持たなければいけません。こうした兵器の拡散を阻止するために、世界は一緒に立ち上がらなければいけません。国際社会が強い回答をするときです。(拍手)国際社会が強い回答をするときで、北朝鮮は安全保障と敬意は脅迫や違法な兵器によってもたらされるものではないことを知らなければいけません。すべての国はさらに強い世界的な管理体制を築くために団結しなければいけません。だから私たちは肩を組んで、北朝鮮に進む道を変えさせるために圧力を加えなければいけないのです。

 イランはまだ核兵器を作っていません。私の政権では相互の利益と相互の尊重をもとにした関与を目指します。私たちは対話を信じます。(拍手)しかしその対話では、明白な選択を示します。イランには、政治的にも経済的にも国際社会でしかるべき場所にいることを望みます。積極的な査察を伴うイランの平和的な核エネルギーの権利は、支持します。それはイスラム共和国が選択できる道です。あるいは(イラン)政府はさらなる孤立、国際社会の圧力、すべての国の不安定さを増すことになる地域の潜在的な核の軍拡競争を選ぶこともできます。

 これははっきりさせておきます。イランの核と弾道ミサイルの(開発)行為は米国だけでなく、イランの隣国やわれわれの同盟国に対して真の脅威をもたらしています。チェコ共和国とポーランドはこうしたミサイルの防衛(システム)を迎え入れる合意をし、勇敢でありました。イランからの脅威が続く限り、私たちは費用対効果があり、(能力も)証明されたミサイル防衛システムを進めます。(拍手)イランの脅威が消えたならば、安全保障のより強い基礎ができ、欧州でミサイル防衛を築く理由はなくなります。(拍手)

 最後に、テロリストが絶対に核兵器を取得しないようにしなければいけません。これは世界の安全保障にとって、もっとも差し迫った究極の脅威です。一個の核兵器を持った一人のテロリストは、大量破壊をもたらすことができます。アルカイダは核爆弾の取得を目指しており、使うことにためらいはないと言及しました。そして世界中には安全でない核物質が存在することを私たちは知っています。私たちの国民を守るため、目的意識を持って遅れることなく行動しなければいけません。

 だから本日、私は世界中の無防備な核物質を4年以内に安全とする国際的な試みを宣言します。新たな基準を設け、ロシアとの協力を拡大し、こうした慎重に扱うべき物質を整理して終わらせる新しいパートナーシップを追求します。

 さらに闇市場を破壊し、運搬される物質を探知し阻止するために努力を続け、危険な取引を中断させるために金融的な手法を使わなければいけません。この脅威は今後も続くものであるため、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)と核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアチブといった試みを持続的な国際機関に変化させるように私たちは団結しなければいけません。そして来年中には米国が主催して核の安全保障に関するグローバル・サミットを開催することで始めるべきです。(拍手)

 こんな幅広い議題で私たちが行動に移せるのかと疑問に持つ人もいるでしょう。国家の必然的な違いから真の国際協力が可能なのか疑う人もいるでしょう。そして核なき世界と聞いて達成不可能な目標を定めることに対して疑問を持つ人もいるでしょう。

 でも間違えないでください。私たちはその道がどこに進むかを知っています。国家と国民が違いによって定義されることを許してしまうとき、お互いの間にある裂け目は広くなります。平和を追求しなければ、私たちの手には永遠に届かないことになります。希望よりも恐怖を選んだときの道を私たちは知っています。協力の呼びかけを非難したり一笑に付したりすることは簡単ですが、臆病なことでもあります。戦争とはそのように始まるものです。人間の進歩はその時点で終わります。

 私たちの世界には対峙(たいじ)しなければいけない暴力と不正義があります。私たちは分裂することではなく、自由な国、自由な人々として一緒に立つことで対決しなければいけません。(拍手)「武器を取れ」という呼びかけが「武器を置け」という呼びかけよりも人々の魂を揺さぶることを知っています。しかしだからこそ、平和と進歩の声は一緒に上げなければいけないのです。(拍手)

 これらの声はまだプラハの街にこだましています。それは1968年の霊です。それはビロード革命のうれしそうな声でした。それは核武装した帝国を一発の銃弾も撃つことなく倒すのに貢献したチェコ人たちでした。

 人類の運命とは、私たちが作るものです。このプラハで、よりよい将来に手を伸ばすことで、過去に敬意を表しましょう。分裂を乗り越え、希望を踏まえ、この世界を見つけたときよりももっと繁栄させ、平和的であるようにしてから去るという責任を許容しましょう。(拍手)一緒にやればできるはずです。

 ありがとうございます。プラハ、ありがとう。(拍手)

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