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Theme 3 - Digital


デジタル

テクノロジー・メディアのパイオニアとして。
日経電子版の誕生と未来についての語らい。

より多くの読者に正確な情報を最適な形で届けるために、
日経は「テクノロジー・メディア戦略」を進めています。
その大きな契機となったのが、2010年の「日経電子版」創刊でした。
日経電子版はどのような狙いをもって生まれたのか。
テクノロジー・メディアのパイオニアとしてどんな未来をめざすのか。
ふたりの技術者が日経のデジタル戦略を語ります。

東 弘行

デジタル事業 デジタル編成ユニット
2005年入社
工学研究科修了

宮本 将

デジタル事業 デジタル編成ユニット
2018年入社
法学部卒

Talk 01

朝の通勤電車の風景を変えた日経電子版

宮本 日経は新聞業界でもっともデジタル化が進展している企業ですが、その大きなターニングポイントとなったのが2010年の「日経電子版」創刊でした。なぜ日経は業界に先駆けて電子版を発行したのか、その狙いはどこにあったのか。そのあたりをぜひ、日経電子版の開発当初から関わった東さんにお聞きしたいと思っていました。

身も蓋もない言い方をすると、根底にあるのはいつまでも紙媒体だけでは食っていけないという危機感ですね。生き残るにはデジタル時代に対応したビジネスモデルを立ちあげなければならない。その具現化のひとつが日経電子版構想でした。

宮本準備にはいつ頃から取り組んだのですか。

07年にエンジニアや編集、マーケティングからメンバーが集まり、電子新聞準備室を立ちあげました。どういうメディアにするのか、どのようなシステムを構築するのか、すべてゼロベースから議論しました。私は主にCMS(Contents Management System=コンテンツ管理システム)と紙面ビューアーの開発に携わりましたが、新聞紙面をそのままデジタル用に変換すると、どうしても違和感がある。デジタルにふさわしい表現手法も考えなくてはならなくていろいろ試行錯誤しました。

宮本昔は電車のなかで新聞を広げるビジネスマンがたくさんいたそうですが、今ではスマートフォンで読むことが当たり前です。日経電子版は生活スタイルを変えましたよね。

端末ではサクサク画面が変わらないとストレスが溜まります。紙面構成もそうですが、デジタルメディアだからこそ解決しなくてはいけない課題も多かった。

宮本とくに苦労したのはどんなことですか?

初めて電子版アプリをリリースする時、アップルの審査をなかなかクリアできず冷や冷やしたのはよく覚えています。プロモーションも同時に仕掛ける予定だったので、遅らせることはできず、社内からのプレッシャーも相当感じました。創刊後の11年、東日本大震災の際、編集とデジタル部門が連携して報道を継続するために力を合わせたことも印象に残っています。デジタル部門は、編集システムの増強・各種特殊対応のためのサポートを担いました。

2010年
日経電子版リリース

専門性の高い独自記事や臨場感あふれる映像、ニュースやデータをビジュアル的に表現したコンテンツを盛り込んだ電子メディアは、当時、他に類を見ないものだった。

Talk 02

モバイルとデスクトップサイトを共通基盤に

宮本日経電子版はその後も進化を続けています。私は「日経電子版の基盤移行と画面刷新」プロジェクトに参加し、19年6月に旧基盤のデスクトップサイトを新基盤へと移行。画面デザインの大幅な刷新を行いました。

17年にリニューアルしたモバイルサイトの新基盤をデスクトップサイトに移行して、ページローディングスピードもずいぶん向上しましたね。宮本さんはどの部分を担当したのですか。

宮本サーバーから画面までの全行程を設計し直しました。画面の実装に先立って、開発環境の整備や利用するフレームワークの選定・下準備を行ったり、ハイトラフィックを捌く新旧の配信基盤を安全かつスムーズに移行する方法を考えたり、いろいろです。ユーザーが閲覧するデバイスの画面サイズに応じてページのレイアウト・デザインを最適化して表示させるレスポンシブWEBデザイン全般ですね。別々だったモバイルサイトとデスクトップサイトの基盤を共通化したことで、これまで外部に委託していたデスクトップサイトの内製化が実現し、大きなコスト削減効果も生み出せました。

デジタルテクノロジーは驚くべき速さで進化しており、これからの開発は最先端技術をいち早く取り入れていかねばなりません。SaaS(Software as a Service=クラウド経由でソフトウェアを提供するサービス)ライブラリなども充実して、開発環境もずいぶん変わりました。これからは宮本さんたちが開発をリードしてもらわないと。

宮本はい。その自覚と覚悟は持っています。やはりメディア企業ですから、今後は多くの読者に素早くコンテンツを届けるCDN(Content Delivery Network)や、アクセス集中による負荷を軽減するエッジコンピューティング技術には特に注目しておきたいです。技術的な知見を高め、日経がメディアの技術的牽引役を果たしていくことが、私たちの役割だと思っています。

2019年
全コンテンツをレスポンシブ化

PC、スマホ、タブレットそれぞれの画面に応じて、レイアウトを最適化するレスポンシブWEBデザインに移行。ローディングスピードも向上し、さらなる利便性の向上が図られた。

Talk 03

技術者の視点とメディア・ジャーナリズムの視点

これからの日経デジタル戦略を支える若手社員として、心がけていること、めざしていることは他にもありますか?

宮本自分も含めた周囲を見て思うのは、自分たちはエンジニアとして、メディア企業というよりIT業界の最先端にいるという意識を強く持っていることです。デジタルで遅れていると思われがちな新聞業界ですが、私たちはIT業界と比肩し切磋琢磨できるような気概・技術力を持っていると自負しています。とりわけ、大規模配信やページローディングスピードの面では、どのIT企業にも負けたくないですね。

デジタルメディアとして、日経がこれからも支持され続けるためにはどのようなコンテンツを提供していくべきなのか、ジャーナリズムの視点も必要です。

宮本そうですね。それがメディア・ジャーナリズムという企業に身を置くソフトウェアエンジニアのおもしろさでもあると思います。しかし、まだその余裕はないですね。いまはコンテンツに依存しない部分での優位性や特色をシステムで実現することに全力を注いでいます。

それも重要な視点ですね。でもこれからさまざまな経験を積むなかで、きっと日経のエンジニアとして、メディア企業・メディアサービスとは何か、ユーザーへ提供できる価値とは何かを強く意識するようになると思います。ぜひ電子版のプロダクトをさらに高いレベルへ引き上げてほしいと期待しています。

宮本期待に応えられるよう頑張ります。

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Theme 01 - Journalism

社会をより良くしたい。そのために何をどう伝えるか。情報があふれる今だからこそ、貫く姿勢がある。

Theme 02 - Global

Nikkei Asian Reviewの認知度を高め、アジアを代表するメディアとして読者に選ばれる存在を目指す。

Theme 03 - Digital

テクノロジーメディアのパイオニアとして。 日経電子版の誕生と未来についての語らい。