記者

鈴木 淳 ジャカルタ支局 2006年入社
※所属部局は取材時点のものです。

ダイナミックに変貌するインドネシア。アジア随一のグローバルメディアを目指し、政治から社会情勢まで、国のすべてを伝えていく。

ジョコ大統領へ単独インタビュー
NIKKEIの報道を世界へ

 2017年12月、ジョコ・ウィドド大統領の単独インタビューのため、私たち取材班はインドネシア・ニューギニア(パプア)島沖のラジャアンパット諸島に向かいました。ジャカルタから約3000キロ、飛行機とボートで7時間以上もかかる場所です。東南アジア最大の国のトップに直接話を聞ける滅多にないチャンス。「経済や政治の話だけでなく、国民の熱狂的な支持を集めるジョコ大統領の素顔にも迫ろう」。取材班は通常の紙面に加えて、 11月に大型インタビュー面ができた日曜朝刊の「NIKKEI The STYLE」で展開しようと入念に準備をしました。
 それでも、インタビューは当日までドキドキの連続でした。島まで乗せてもらえるはずのボートはなく、予約していたホテルは直前に解約され、途中の空港では取材班の荷物も届いていませんでした。「取材にトラブルはつきもの。なんとか解決しよう」。そう自分に言い聞かせながら、支局員総出でボートや部屋を確保しました。ただ、前夜には雷鳴が轟き「本当に屋外でインタビューできるのだろうか」と心配になりました。インタビュー当日の午前4時。祈るような気持ちで外に出ると、赤道直下の空に星がキラキラと輝いていました。朝日が昇るころに無事インタビューが始まり、後日、ジョコ大統領の笑顔が「NIKKEI The STYLE」の紙面を飾りました。
 私たちは「アジア随一のグローバルメディアになる」。そんな信念を持って記事を書いています。大げさな標語ではなく、英文媒体「Nikkei Asian Review」(NAR)に掲載される英語の記事はネットを通じて、すぐに世界中を駆け巡ります。日本語の新聞だけでなく、NARにも記事を出すことで、インドネシアにおける「NIKKEI」の知名度も確実に高まっています。
 「インドネシアのことをもっと世界に知ってもらいたい」。支局で同僚と共有する目標です。いいところを褒めるだけではありません。時には政策を厳しく批判することだってあります。ただ、どんなときでも真摯にインドネシアに向き合う姿勢だけは忘れたことがありません。ジョコ大統領のインタビューもこうした日経の姿勢を信頼してくれたからこそ実現したと自負しています。
 経済のグローバル化が進み、日経の記者の仕事は世界に広がっています。グローバル企業の動向や、国際テロの動きなど、1カ国を見ただけでは捉えきれない時代になっています。日経はアジアを始め世界各地に記者を派遣して、現場でグローバルな経済や社会の動きを日々追っています。「今、目の前で起きていることが世界とどうつながっているのか」。グローバルという視点を大切にしながら、日々、取材に飛び回っています。

アジアの熱気、世界に伝える
「海外インターン」が転機に

 今では「インドネシア生まれですか」と聞かれるほど、現地に溶け込んでいますが、実は入社当初からインドネシアに興味があったわけではありませんでした。インドネシアといえば国際的なリゾート地、バリ島がある所というイメージしかなく、そこで仕事をするとは夢にも思っていませんでした。
 転機となったのは2012年です。会社の「海外インターン」という研修制度で、インドネシア商工会議所で半年間のインターンを経験したときでした。海外インターンは記者の通常業務を離れ、半年間、派遣先の仕事に従事します。初めて見たインドネシアはすさまじい国内消費に支えられて成長していて、学生時代や入社後に日本で見てきた「失われた20年」と呼ばれる低成長時代とは全く違うダイナミックさがありました。「昨日見た風景が今日はもう違っている」ということも、珍しくありませんでした。
 「あの熱気にもう一度飛び込みたい」という願いが叶い、2016年にジャカルタ支局に赴任しました。支局では私を含めた日本人2名、インドネシア人4名の支局をまとめながら、インドネシアの経済、政治、社会情勢を発信しています。「Nikkei Asian Review」(NAR)が2013年に創刊され、アジアにある支局の活躍の場は世界に広がりました。日本経済新聞を通じて日本にアジアのニュースを届けるだけでなく、NARを通じてアジアのニュースを世界に発信しています。
 日経というと、経済の取材だけをしているイメージがあるかもしれません。確かに経済は重要な分野であることに違いはありません。ただ、経済といっても分野は多岐に渡ります。政治と関わる分野も多く、文化や社会とも密接に関係します。取材範囲に制限はありません。
 例えば、ジャカルタに赴任して印象に残る取材のひとつに、離島で教育水準を上げるために奮闘するボランティアの取材があります。一見すると教育問題のようですが、実は経済や政治の問題が潜んでいました。これまで教育水準が低かった理由は、私が訪れたスバティック島には最近まで発電所がなく、暗い夜に勉強ができない子供がたくさんいたことでした。高層ビルが並びきらびやかなネオンが輝く首都ジャカルタと比べて、歴然とした格差が残ることに現場を見て改めて驚きました。
 格差解消を掲げるジョコ大統領が就任して、16年にはスバティック島にも小さな発電所が作られ、子供たちが通う小学校には明かりが灯りました。ジョコ政権のもとでインドネシアがどう変わるのか。その姿を見つめ、日本、そして世界に発信していきたいと思っています。

とある日のスケジュール

6:00

起床。朝食を終えた後、学校に行く子供を見送り

8:00

自宅を出発

9:00

仕事開始。東京やバンコクのデスクと出稿について電話で打ち合わせ

12:00

昼食

13:00

ジャカルタの企業などを取材

15:00

支局に戻り、原稿を執筆。支局内で打ち合わせ

19:00

退社

入社からのキャリア

2006年入社
大阪・編集局社会部
2009年
東京・編集局消費産業部(現・編集局企業報道部)
2013年
東京・編集局アジア部(現・国際アジア部)
2016年
ジャカルタ支局
記者
  • 池田 将
  • 濱 美佐
  • 島田 学
  • 井上 みなみ
  • 伊藤 学
  • 吉田 三輪
  • 小瀧 麻理子
  • 鈴木 淳
  • 山田 彩未
  • 越川 智瑛
  • 本池 英人
  • 岩﨑 貴行
  • 森下 寛繁
  • 篠原 英樹
  • 小高 顕
  • 三上 秀和
営業・企画
  • 星 貴大
  • 木暮 浩孝
  • 三好 裕介
  • 大竹 真生
  • 中元 健児
  • 平野 智章
  • 有國 優人
  • ぐし宮城 綾子
デジタル
  • 小林 愛美
  • 藤枝 朋久
  • 赤間 夏樹
  • 中村 景
  • 御厨 直樹
情報インフラ
  • 岡本 哲也
  • 印藤 祐介
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