掲載日:2006/3/10(日経産業新聞)

カゴメの植物性乳酸菌飲料「ラブレ」
野菜を強調、大人仕立て
菌の生存力2倍/カロリー20%減
 カゴメが二月中旬に発売した乳酸菌飲料「植物性乳酸菌 ラブレ」が順調なスタートを切っている。漬物などに生息する植物性の乳酸菌を使って野菜を発酵させた、これまでにない乳酸菌飲料。容器も白を基調とし、上質感を演出した。関東、近畿など四地域のコンビニエンスストアで先行発売し、十四日からは全国販売に移行。乳製品メーカーが手掛ける動物性の乳酸菌飲料とはひと味違った特徴をアピールし、中高年層の需要を狙う。
 カゴメの調査によると、これまでの乳酸菌飲料には「甘い」、「カロリー・糖分が高い」などの不満が消費者にあり、子供向けのイメージが強かったという。このため、乳酸菌飲料は比較的年配の大人に敬遠される傾向があったそうだ。
 ラブレは四十歳以上のシニアにも受け入れられる乳酸菌飲料を提案した。「ラブレ菌」と呼ばれる京都の漬物から発見された乳酸菌を使ってニンジンエキスを発酵させ、“野菜”のイメージが強い製品に仕立てた。
 野菜は健康を気遣うシニアに好まれる。トマトジュースや野菜ジュースを販売するカゴメの企業イメージにも合う。スーパーの食品を扱うバイヤーからは「カゴメらしい商品提案」と評価する声も聞かれる。
 甘さ、カロリーも抑えた。砂糖・甘味料を使用せず、野菜の甘みだけに頼っている。カロリーもニンジンのほかに大豆など野菜を主原料にしたことで、従来の乳製品ベースの商品に比べ二〇%削減、一本あたり五十七キロカロリーにした。
 乳酸菌の整腸作用も従来品より期待できるとしている。カゴメの研究によると、漬物やみそ・しょうゆなど植物性の発酵食品に生息する乳酸菌は、チーズなど乳製品をつくる動物性の乳酸菌より生命力が強いという。
 漬物などは乳製品より塩分や酸味が強く、乳酸菌にとって生息環境が厳しいためで、「人間の腸内で生きている力は動物性より二倍程度強い」(カゴメ総合研究所)とされる。ネーミングに「腸で生きぬく力が強い」の説明を加えたことで、訴求力をアップさせた。
 飲みやすさも特徴だ。野菜が主体なため、スッキリした味わいが楽しめる。「清涼飲料のような口あたりがする」と評価する消費者は多い。
 容器は大人が手にしても違和感がないデザイン。乳酸菌飲料としては珍しい白のペットボトルは、清潔感があって健康イメージを強く訴える効果がある。店頭の棚でも目を引く存在だ。
 二月十四日に関東・中部・近畿・北陸のコンビニで発売したのに続き、今月十四日からは品ぞろえに八十ミリリットル三連パックを加えて全国のスーパーでも販売する。コンビニも全国のチェーン店に広げ、百ミリリットル入りの宅配も始める予定だ。
 全国販売に合わせて吉永小百合を起用したテレビCMの放映を一段と増やす考え。九月までに乳酸菌飲料では前例のない規模の三十五億円を広告費として投入し、年間百億円の販売目標に挑む。「乳酸菌飲料事業の大黒柱に育てる」と、喜岡浩二社長は大きな期待を寄せている。
(日経産業消費研究所主任研究員 相良隼二)
 =詳細を「日経新製品ウオッチャー21号」に
▼商品名
 植物性乳酸菌 ラブレ
▼発売日
 2006年2月14日
▼価格・販売目標
 130ミリリットルペットボトル入りで105円(税抜き)。年間100億円
▼特徴
 「ラブレ菌」と呼ばれる植物性乳酸菌を使用している。従来の乳酸菌より整腸作用が高いという。
       
開発者から   カゴメの杉山喜久雄・乳酸菌ビジネス・ユニットディレクター
新しい提案で関心呼ぶ
 植物性乳酸菌を使った飲料の開発は二〇〇二年に旧雪印乳業グループの雪印ラビオを買収して乳酸菌事業に進出した時から考えていた。植物性の乳酸菌は動物性より商品化する上で扱いにくい点があるため、実際の開発には二年半を要した。発売に際しては社内で一千人を対象にモニター調査を実施して、「整腸作用が著しく良くなった」効果を確認した。
 乳酸菌飲料市場はここ数年、年間千億円ほどの規模で頭打ちとなっている。植物性乳酸菌の新しい提案によって、消費者の関心を呼び起こしたい。ターゲットにするシニア層は健康意識が強いとされながらも乳酸菌飲料の購入経験が若い人よりも少ないため、潜在需要の掘り起こしが期待できる。
    




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