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日経地域情報化大賞2008
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【パネル討論】
 テーマ: 「人をつなぐ、仕事をつなぐ、地域をつなぐ」

パネルディスカッションの様子
 ITを活用した地域活性化について意見を交わす「地域情報化フォーラム2008」(日本経済新聞社など主催)のパネルディスカッションが7日午後行われ、大賞を受賞したインフォミームの和崎宏社長や障害者向けの製品開発支援を行うユーディットの関根千佳社長らが「人をつなぐ、仕事をつなぐ、地域をつなぐ」をテーマに議論した。

 パネルディスカッションでは、各受賞者がそれぞれの受賞対象となった取り組みを紹介した後、司会を務めた慶應義塾大学総合政策学部の飯盛義徳准教授が、各地域でのICTを使った「つながる」ための工夫について質問した。

 和崎氏は運営する地域SNSについて、「Web2.0やオープンソースに似たやり方でユーザーの声をどんどん取り込み、ユーザーが単に利用者ではなく、開発者にもなるように巻き込んでいる」と話した。また、SNSのなかでのコミュニケーションがうまくいくように、「実名制で、完全な紹介制度にしているので信頼という基盤がある。そのうえで、人と人をつなげるブリッジ役になる人を応援してあげるようにしている」という。

中海テレビ放送の高橋孝之専務
 鳥取県と島根県にまたがる湖の中海の浄化プロジェクトに取り組んだ中海テレビ放送の高橋孝之専務は「自分のことには一生懸命だけど他のことには無関心というのは当たり前。福祉やスポーツなどの団体をいかに集められるかが大事。相互の助け合いがまちのチームワークをよくしていく」と話した。

 千葉県内の大学生に地域住民にパソコンの使い方を教えるアルバイトを斡旋し、さらに地域住民向けにSNSを通じたコミュニティーも提供しているTRYWARPの虎岩雅明代表理事は「まずは挨拶以上の負荷をかけないようにした。それ以上につながりたい人は、他にやり方がある。それでも近所で地域の高齢者の方から声をかけてもらえるようになった。パソコンの苦手な人が対象なので、SNSではネット用語は禁止し、実在しないコミュニティーも禁止している。SNSは気持ちの共有で、情報を共有するならグーグルを使えばいい」と話した。

ユーディットの関根千佳社長
 関根氏は「まずはリアルなコミュニティーが大事。ご飯を食べることだったり、温泉で合宿したりする。空気を共有することが大事だと思う」と話した。

 飯盛氏は次のテーマとして、SNSなどでつながった状態からさらに、実際の問題解決への活動を生み出すためにはどうするべきかについて各参加者に聞いた。

インフォミームの和崎宏社長
 和崎氏は「SNSはネットワークを可視化するが、強くなりすぎるとよくない。よい距離感を保って、ぼそっと言ったことに共鳴して、創発が起こっていく」と話した。

 高橋は「山陰地域は限界集落が深刻な問題になっている。中海テレビ放送が事業基盤としている鳥取県米子市はまだ15万人ぐらいの人口がいるがその力をそっちのほうにうまく持っていけないかと考えている。人的ネットワークとICTをどう使っていくのかというときに、新しい技術としてWiMAXやワンセグ放送を活用したい。もちろん地域への愛のような思いがないとつながっていけない」と、今後の展望について話した。

TRYWARPの虎岩雅明代表理事
 一方、虎岩氏は「あえて言うと、何もやらないというのが方針。オン会と呼んでいるが、リアルな交流はユーザー同士で勝手にやっている。自然とみんながやってくれるようにもっていくのがいい。運営側で意志を持つと崩れてしまうもの」と話した。

 関根氏は虎岩氏の意見について「SNSは飲み屋のおかみさんみたいなもの。あまりでしゃばってもよくない。ただし、ちょっと関係が悪そうなときには少し誤解を解いてあげるようなアドバイスをするぐらいでいいのでは」と同調した。

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