NIKKEI NET
日経地域情報化大賞2006
トップページ 2005年受賞プロジェクト 審査委員長講評 記念シンポジウム

【基調講演】
 「県民満足度向上には情報発信力強化が不可欠」
講師: 古川 康 佐賀県知事  

講演する古川康佐賀県知事=22日、佐賀市
 佐賀県知事の古川康氏は22日午後、「地域情報化フォーラム inSAGA」(日本経済新聞社など主催)の冒頭に「地域情報化、なぜ、そしてどうなる」と題した基調講演を行った。古川知事は経済の拡大で地域間競争が激化していると指摘。“県民満足度”を高めるためには県庁を時代に合った形へ変え、地域の情報発信力を強化することが不可欠との持論を語った。

 講演の最初に古川氏が紹介したのは、佐賀県の公式サイトのほか「うまか陶」「さがファン」など、県の協力の下で地域の特産情報を扱ったサイト。さがファンのネット通販では域外から多くの注文が集まっており、「地域ブランド確立のため情報発信力の必要性を改めて痛感している」と語った。

 地域間競争が激化した時代に県に求められる役割として、古川氏は「県民の満足度を高めること」を挙げた。佐賀県では行政、民間のどちらが公共活動を担うべきか調査検討する市場化テストを全事業で進めている。行政の電子化も積極的に推進しており、電子申請の場合の手数料を割り引く取り組みを全国で初めて取り入れた。

 ブロードバンドが普及すれば都会の便利さと田舎の自然の両方を実感できる「ハイブリッド社会」が実現できるというのが古川氏の持論。都会からも注目されるようなコミュニティー作りへの意欲を語った。佐賀県は九州の中では比較的離島が少ないこともあり、ブロードバンドのカバー世帯が98%を超える。「100%達成が私のマニフェスト」としており、広域無線LANや電力線通信(PLC)の実用化に高い期待を示した。

 佐賀県のサイトは年間170万件のアクセスを集める。なかでも県の情報を伝える「CSOブログ」は健全なコミュニティーとして評価が高い。ただ、古川氏は「これらの取り組みは外部企業のスタッフにお願いしたもの。民間に専門家が多数いても、県庁の中に詳しい人が少ない」と行政の情報化に当たっての問題点を語っている。

 来年7月開幕する佐賀総体(全国高等学校総合体育大会)では、全種目の映像をネット配信する予定。「地域情報化大賞2006」で日本経済新聞社賞を受賞した有田工業高校の生徒が中心となり、映像の撮影から公開までを高校生自身が取り組む。講演に先立つ授賞式で古川知事は「このような場を通じ、若い人たちの情報発信に対する意識を高めたい」と意義を強調、「来年の地域情報化大賞を狙う」と宣言し会場の笑いを誘っていた。
<< 記念シンポジウムトップへ

 NIKKEI NET ▲ 上へ 
(C) 2005 Nihon Keizai Shimbun, Inc. All rights reserved.