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日経地域情報化大賞2003
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【基調講演】
 テーマ: 「ITは地域を変えるか」
講師: 岐阜県知事 梶原  拓氏  

基調講演する梶原拓・岐阜県知事=14日午後、岐阜県大垣市
 記念シンポジウムでは、岐阜県の梶原拓知事が「ITは地域を変えるか」と題して基調講演を行った。IT革命について独自の見解を披露するとともに、岐阜県がITを活用して目指す社会のあり方について、「機会均等」「オープン」「コラボレーション」というキーワードを挙げて紹介した。

 梶原知事は、大企業や情報通信ベンダーを中心としたITの第1ステージは終了し、今は地域や一般市民が主役となる、ITの第2ステージを迎えようとしていると指摘した。「ITバブルの崩壊以降、もうITやマルチメディアは終わったなどと言う人もいるが、そんなことはない。まだまだ序の口だ」と述べ、今後ITのマーケットはさらに拡大していく、と強調した。

 梶原知事によれば、IT革命とは「3つの革命が同時に進んでいる、人類がかつて経験しなかった大きな革命」だという。その3つとは「頭脳革命」「産業革命」「ネットワーク技術革命」である。頭脳革命とは、ITによって膨大な情報を瞬時に検索できるようになったことは、人類が直立歩行により高度な知能を得たのと同じぐらいインパクトのある出来事だ、ということを表現した言葉。産業革命は、巨大資本が動く大量生産・大量消費型の産業構造を脱して、最大の資本が人あるいは頭脳、という新たな産業構造が生まれつつある、ということを意味している。そしてネットワーク技術革命とは、人や社会の交流を地球規模に拡大するITが、航海技術や蒸気機関車、自動車といったテクノロジーと同じように社会の変革を促していることを指摘したものだ。

 そうしたITを使って岐阜県が目指している社会については、3つのキーワードを掲げて紹介した。第1は、年齢や性別、障害などによってハンディを負わない「機会均等の社会」だという。これまで弱者と言われてきた人間にとって、ITが大きな武器になる可能性があるからだ。第2は、ITによって徹底的に情報公開を進める「オープン社会」。そして第3は、行政と市民が協力しあう「コラボレーション社会」である。「言ってみれば、行政と市民が『共働き』をするということ。市民は行政に対し要望を出すだけでなく、積極的に行政に参加してもらう」。市民を行政サービスの顧客、として考えた場合、最も顧客満足を高めるのはこの「参加」だという。

 また、直近の課題は家庭や個人が行政サービスにアクセスするための端末の整備だとし、テレビ、携帯電話、カーナビゲーションの3つを中心に考えていきたいと話した。

 最後に梶原知事は「議会制と、地方自治は民主主義を支える車の両輪だ。先進国で、真の地方自治が確立していないのは日本だけ」と、地方分権の進んでいないわが国の実態を痛烈に批判した。
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