

METsという言葉を聞いたことがあるという人が増えている。
安静時が1METs、通常歩行時が3METs 、ジョギングでは5METs‥。なんとなく運動に関係のあることは、お気づきだろう。
METsとは、身体活動の強度を表す「単位」。安静時を1METsとした場合、運動、あるいは生活活動の強度が何倍にあたるかを示す。
通常ウォーキングは4METsとされ、安静時の4倍のエネルギー消費に相当する。
METsという単位が日本で一般的になってきたのは、つい最近のこと。
厚生労働省が、「生活習慣病のガイドライン(健康づくりのための運動指針2006―生活習慣病の予防のために―エクササイズガイド2006)」(2006年7月)でメタボリックシンドロームをはじめ生活習慣病発症予防のための運動や、体力づくりなどの参考になる基準としてMETsを採用した。(右記参照)
実はこのMETsという概念、20年以上前にアメリカで生まれたもの。アメリカスポーツ医学会(ACSM)が、運動指導をする時に運動指導の管理のために作ったのがはじまりといわれている。
※METs(Metabolic equivalents:“代謝に相当する価”という意味)
現在使われているMETsの値は、2000年にアインスワースによってまとめられた。その膨大なMETsリストは、日常の運動や生活活動をほぼ網羅している。
METsは運動や生活活動など、身体活動の強度を表わす単位のことだが、運動のMETsは、人種や年齢、性別などによる大きな違いはないとされる。
しかし、生活活動のMETsの値は、国や、時代などによって異なるケースがでてくることがわかった。
たとえば、「ガーデニング」。広い庭の芝生を芝刈り機できれいにすることを「ガーデニング」と呼ぶ国と、ベランダのプランター花壇の手入れを「ガーデニング」と称する国とでは、METs値は同じにはならない。体を動かす条件が異なるからだ。
国だけではない。時代も大いに関係する。「洗濯」についても、洗濯桶で手洗いしていた時代と全自動洗濯機を使う時代では、METsの値が違うだろう。
今後は、暮らしや文化の事情、時代の変遷など、日本の現状を考慮したMETs計測が欠かせないだろう。
厚生労働省が、運動目標として消費カロリー表示ではなくMETsを使った表示に変えた理由として、個人の体格差が顕著になってきたことがあげられる。同じ運動をしても、体重によって消費カロリーは違うからだ。
また、生活習慣病予防、メタボリックシンドロームなどに対する関心が高まり、大まかで一般的な消費カロリーではなく、自分だけの消費カロリーを算出できる単位として、METsが求められるようになってきたからでもある。
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