第3回「住みよい未来につながる取り組みをサポート」
世界中の誰もが住みよい未来を創造すること、それは今の時代を生きるすべての人々の命題といえる。
人類や地球、宇宙の起源の解明は、住みよい未来を創造するための基礎となる重要なチャレンジだ。また、蓄積してきた文化遺産を後生まで確実に残すことも、未来の創造には欠かせない。
このような取り組みをサポートし、加速するのがITイノベーションである。調査データの収集をはじめ、膨大なデータの管理、解析の計算処理など、ITは研究者たちを日々支えている。現在、世界各国で進められているプロジェクトのなかから代表例を紹介しよう。
人類は誕生以来、いかにして地球上に広がっていったのだろうか。その足跡を遺伝子サンプリングによってたどるプロジェクトが、ナショナルジオグラフィック協会とIBMが共同で進めている「ジェノグラフィック・プロジェクト」である。約10万件に上る遺伝子サンプルを世界中から集め、それを一流の遺伝学者が解析。数千年にわたる人類の足跡を再現する一大プロジェクトだ。
遺伝子サンプルを管理するデータベースには、IBMのテクノロジーが活用されている。膨大なデータの解析には、世界有数のライフサイエンス研究機関であるIBMコンピュテーショナル・バイオロジー・センターの先進的な分析テクノロジーと、データ・ソート手法を応用する予定だ。
同プロジェクトで生成されるデータベースは人類の遺伝情報の集大成であり、遺伝学者や歴史学者、人類学者にとって画期的なリソースとなる。また、人類が地球上を移動した歴史をひも解くことで、世界中の人々の相互理解も期待される。IBMのサポートのもと、人類の足跡を解明する世界的な研究が、着実に歩みを進めている。
「ジェノグラフィック・プロジェクト」動画はこちら
宇宙の起源とは――。人類が長年追い求めてきた疑問である。有力な仮説の一つが「ビッグバン理論」だ。ビッグバン直後に何が起きたのか、科学者たちは解明に努めている。
その最前線で活躍する研究組織が、オランダ天文学研究財団である。1940年代後半から天文学の技術開発分野をリードし続けてきた同財団は、Low Frequency Array(以下:LOFAR)と呼ばれる「ソフトウエア望遠鏡」ネットワークを開発した。オランダ北部からドイツのニーダーザクセン州に至る地域に設置された、2万基以上の単純なアンテナを活用。各アンテナからの信号を結合して解析する。
全アンテナからの信号を収集し、その情報を統合、分析するために、LOFARはIBMのスーパーコンピュータ「Blue Gene/L」を使用している。ビッグバン直後に電波信号を放射した物体の観測、宇宙の極めて初期に誕生した物体の発見などを、高速計算によって支えることが可能になる見込みだ。
LOFARの技術は宇宙物理学だけでなく、地球物理学や精密農業など、インテリジェント・センサーの応用にも大きな期待を集めている。

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協賛 日本IBM