日銀の白川方明総裁は20日記者会見し、設備投資や個人消費などの最終需要が大きく不足した状態では「流動性を供給するだけでは物価は上がらない」と指摘。デフレ克服に向けた資金供給の拡大に否定的な考えをにじませた。米連邦準備理事会(FRB)は現在、日銀のかつての量的緩和政策に匹敵する規模の資金を供給しているが「物価を押し上げる力は乏しい」とも語った。
総裁が追加緩和の効果に懐疑的なのは、需要の弱さという「根本的な原因に働きかける」ことが今の局面では重要と考えているためだ。「家計の将来への安心感や企業の成長期待を確保することがもっとも大事」と述べ、現在の超低金利政策や潤沢な資金供給で「粘り強く支援していく」姿勢を改めて強調した。
ただ、需要の落ち込みが急激だっただけに、状況の改善には「どうしても時間がかかる」とみる。景気の持ち直し傾向が続いて物価の下落幅が縮小していけば、実質金利の低下を通じて金融緩和の効果が増していくという絵を描くが、それまでに追加緩和を求める声が高まる可能性もある。(20日 20:14)