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最高の売上・利益を稼ぐ11社 〜価格・販売戦略などに独自性

日経平均と予想増収率・ROE

最悪期を脱しつつあるとはいえ依然厳しい企業業績。日経平均株価を構成する225銘柄から算出された指標(単純平均)で見ると、一時ゼロ近辺まで大きく低下した自己資本利益率(ROE・予想ベース)は3%台まで回復しましたが、予想増収率(前期実績比)は依然9%台のマイナスのまま。リストラでなんとか最終利益ベースでは持ち直しつつありますが、売り上げはなかなか伸びず本格的な回復には道半ばともいえます。そんな逆風続きの中でも、売上高と利益の最高値を更新し続ける会社もあります。NEEDSデータで探ってみましょう。

今期最高値更新は49社

売上高・利益と市場・最古期(予想ベース)

対象は上場企業(新興企業向け市場上場含む、銀行・証券・保険を除く)の連結決算会社(直近期)で10期以上の実績の決算データのある企業です。実績データを過去25期(3月決算会社なら1985年3月期)までさかのぼり、直近決算期で、売上高、経常利益、純利益のいずれも最高値を記録した企業を抽出、さらに、今期の決算で増収、増益が予想される、すなわち売上高・利益の最高値をさらに更新する見込みの企業に絞り込むと49社が浮上してきました。

ここから、(1)予想増収率、予想増益率(経常利益・純利益)の3指標がいずれも5%以上、(2)予想売上高が100億円以上、の企業をスクリーニング基準に加えたところ、11社が選ばれました。今期の予想経常利益(単位:百万円)の大きい順にランキングしたのが右の表です。

小売りをはじめとするサービス業が目立ちますが業態は様々で、本社所在地は東京都千代田区(丸の内)から、北海道(札幌市)や中国地方(鳥取県)など全国に散らばっています。

23期連続で最高益更新

増収・増益率とROE(予想ベース)

ランキング1位は家具製造・販売大手のニトリ(本社所在地:東京都北区)。2010年2月期には、23期連続で経常最高益を達成、予想売上高については財務データが取得できる1985年2月期から25期連続で最高値を更新する見通しです。海外生産を7割まで高めたコスト削減による価格競争力と、売れ筋商品の絞込みや売り場効率など現場改善、低価格でも不良品比率も1%未満と低いことなどの相乗効果が、売り上げ・利益の継続的な最高値更新につながったようです。

4位のめがねトップ(同:静岡市葵区)は、主力「眼鏡市場」が好調に推移。新規出店など店舗網の拡充で足元の4−6月期の四半期決算でも増収・増益を達成しました。レンズ・フレーム込みで一律2万弱と値ごろ感のある価格設定で新たな客層を取り込んだと言われます。

11社すべてがROE10%超

7位のアインファーマシーズ(同:札幌市東区)は主力の調剤薬局事業で新規出店の好調と子会社の整理・統合や、薬の仕入れの一本化によるコスト削減が奏功したようです。10位の書籍・雑貨販売のヴィレッジヴァンガードコーポレーション(同:愛知県愛知郡)は、商品にこだわりを持つ店長がアーティスト的な感覚で品物を仕入れることで知られています。

収益性を見ると、自己資本利益率(ROE)の高い企業が目立ちます。今期の予想純利益を前期の自己資本で割った予想ROEが最も高かったのは、経常利益ランキング6位のベストブライダル(同:東京都渋谷区)。邸宅風施設を直営し結婚式場を運営する同社の予想ROEは33%台に達します。11社でROEが20%超の企業は4社あり、11社すべてが10%を超える見込みです。

ランキングに登場した企業からは、全体としての「好調な業界」「伸びる市場」と言った側面は見えづらい気がします。しかしながら、各社が打ち出した価格・販売戦略や商品性、コスト削減手法など独自性の積み重ねが相乗効果となって商品・サービスの魅力度となってファンをつかむ。それが継続的な好業績となって最高の売り上げや利益につながり企業は収益力を高める——。逆風下でも輝き続ける企業の共通項はそんなところに見えてきそうです。

(日本経済新聞社NEEDS事業本部 加藤岳彦)
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