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<?追跡>京都府警サイバー部隊は全国最強――法の未整備、「裏技」でしのぐ2009/11/18配信
京都府警が最初に注目を集めたのは2001年。海外製のファイル交換ソフト「WinMX」を使って画像編集ソフトを無断で配布しようとした著作権法違反事件で、ユーザーを逮捕した。同ソフトでの「世界初」摘発となった。 この事件で違法コピーは一時沈静化したが、間もなく“捕まらないソフト”が登場する。一部の機能でサーバーを利用するMXと違い、暗号化されたデータが個々のパソコンの間を渡り歩くため匿名性が極めて高い「Winny(ウィニー)」だ。だが府警は03年、ウィニーでも同様にユーザーを逮捕。翌年にはソフトの開発者も同法違反ほう助の疑いで摘発した(一審有罪、二審無罪で上告中)。 昨年には、データを分割して送信するなどさらに“進化”して利用者の特定が難しくなったソフト「シェア」の利用に関しても、アニメを無断配信していた大学生らを全国で初めて逮捕した。 府警のハイテク犯罪対策室は1999年、前身となる部署がメンバー3人でスタートし、2年後に正式発足した。現在は17人の体制で、他府県警の同様の部署と比べると規模は大きいが、最大の警視庁の数分の1にすぎない。 京都府警「最強」の理由として、ウィニー摘発の中心メンバーで同室補佐の木村公也警部(52)は、「視点」「精神」面での伝統を挙げる。「被害届を受けてから動き出すのではなく、今ここで手を打たなければいずれ大変なことになる、という自分たちの問題意識で捜査を始める。摘発した事件の8〜9割はこうして掘り起こしたもの」 WinMXの不正使用を摘発した先輩捜査員の姿勢や手法を、木村警部は間近で学んだ。それを生かし今度は自身がほぼ1年間、昼夜を分かたず解析に取り組みウィニーの「穴」を発見。さらにこの木村警部の姿を見て、「素人の状態」で異動してきた後輩捜査員が、シェアによる著作権法違反に切り込んだという。 対策室の歴代幹部も、「重要なのは、この先何が問題になるかを見通す力」「野放しにしたらアカン、絶対検挙したる、という熱意」と口をそろえる。パソコンやネットの知識一辺倒ではどうにもならず、「研究肌の人、現場指揮に優れた人、アイデアを出すのがうまい人。いろいろなタイプが集まっていることがいい結果につながっている」(佐藤成史室長)という。 法制などが未整備な世界だけに、「あらゆる法令の駆使」がカギになる。昨年、コンピューターウイルスの作成者を逮捕した際に適用したのは著作権法違反と名誉棄損。日本にはウイルスの作成、放出を処罰する法律がないため、感染すると画面に現れるアニメ画像と個人写真の無断使用を問う「裏技」だった。 サイバー犯罪の捜査がネット空間だけで完結するわけではない。最後の勝負は「地べた」。容疑者を尾行し、張り込み、逮捕し、取り調べる。一見、華やかでスマートなサイバーポリスの世界でも、結局、地道な捜査や立件への執念が問われる。 (編集委員 坂口祐一)
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