インターネットがビジネスを変え、新しいサービスを生み出す

司会 大手企業から中小企業まで、インターネットの普及によって経営のあり方や働き方、顧客との接し方が変化し、新しいビジネスのやり方が生まれている。皆さんに、具体的にどう変わったかを伺いたい。
小佐野 宅急便の年間扱い個数は現在12億個で、私が入社した1988年の4倍になった。伸びた理由は、ゴルフ宅急便、スキー宅急便、タイムサービスなど、常に新しいサービスを創造してきたこと。また、「ドライバーダイレクト」「宅急便 e-お知らせシリーズ」「クロネコメンバーズ」などICTで宅急便インフラを整備し、付加価値を付けてきたことなどがあげられる。
ヤマト運輸では基幹システムを「NEKOシステム」と呼ぶが、1974年が第1次で2005年が第6次、現在第7次システムを開発中だ。2000年の第5次あたりまでがOA化による業務改善、第6次以降がICTによる顧客起点の改革へと進化してきた。例えば、2000年頃はセールスドライバー(SD)が荷物を届け、センターに戻った時に荷物情報をパソコンに転送、荷物の動きと情報に時差があった。しかし2005年の第6次以降、SDはBluetooth通信と携帯電話のネットワークを使って、15分ごとに荷物情報をアップロードしている。
現在、第7次システムを開発しているが、その目標は「お客様(個々人)の中へ」だ。高速なインターネット通信と、クレジットカードや電子マネーなどの決済ができる端末を開発、これによって「場所」に届けるのではなく、「人(あなた)」に届けることが可能になる。
松本 IIJは、1992年に日本で初めてインターネット接続事業を開始した企業で、日本のインターネットの基幹部分を支えている。また1996年には、企業向けITサービスを提供するIIJテクノロジーを設立。現在では全国15カ所のデータセンターで2000契約のウェブサーバーのホスティング、800契約のサーバーホスティングを行っている。2000年には企業向けプライベートクラウドの先駆けともいえる「IBPS(Integration & Business Platform Service)」を開始し、400システムを運用している。その後、2009年10月にはクラウドサービス「IIJ GIO」を発表。そして、IIJとIIJテクノロジーは2010年に合併した。

クラウドコンピューティング普及の背景には、ITのサービス化の流れと規模の経済効果がある。ITインフラの低価格化とビジネス環境の変化の予測が難しくなる中で、仮想化技術の適用範囲が広がり、サーバーやネットワークを共有リソースとして使うクラウド化が進んだ。10年前と比べると、サーバー1台あたりのコストパフォーマンスが100倍以上になる中で、サーバー台数が急増し、IT予算の7割を管理コストが占めている。それを解決するために、IIJは海外のクラウドベンダーと比べても、コストも安く信頼性の高いIT基盤を提供する。























