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対談
カルロス・ゴーン日産自動車 社長兼CEO / ルノー 会長兼CEO

新技術を試し、価値創造の時

 ――日産自動車は来年度から電気自動車を日米欧で販売する。なぜ力を入れるのか。

 「電気自動車は昔からあるが、普及しなかった。今、その普及のための条件がそろった。1つは技術。電池もモーターもインバーターも、消費者のニーズに応えられる状況だ。2つ目がエネルギー価格。原油価格は今後も上昇するだろう。3つ目が環境。地球温暖化はもはや専門家だけの話題ではない。一般の消費者も対応策を求めている」

 ――どう電気自動車を展開していくのか。

 「日産は来年から5人乗りのファミリーセダン、小型商用車、高級車などと合計4車種を展開していく。ルノーでも同様だ。他の自動車メーカーと違うのは、バッテリーも生産すること。我々はバッテリーメーカーになりたいと思っている」

 ――バッテリーは他社にも販売するのか。完成車を外部に供給する考えは。

 「バッテリーは他社に販売する。これは理にかなっている。バッテリーの投資は大規模だ。日産はNECと組んでいるが、5万台規模の生産能力でも120億〜200億円の投資が必要になる。これを日米欧でほぼ同時に立ち上げる」

 「電気自動車の技術や車両供給についても、第三者とパートナーシップを組む用意がある。電気自動車のプロジェクトで私たちは60億ドルの投資をしてきた。日産・ルノーの2社の規模があってこそできる投資規模だ。他社も同じ。単独では投資ができない。技術や部品を共有化する。そんな提携が増えるだろう」

 ――日本のものづくり大国としての将来は。

 「日本の強みはものづくりにあることに疑問の余地はない。問題は為替レートの変動だ。今の1ドルに対して90円、80円というのはきつい。しかも、混乱の真っただ中にあって、急激な円高は経営に大きな影響を及ぼす」

 ――逆境の中での経営のポイントは。

 「順調なとき改革に取り組もうとする人は少ない。逆境や危機に直面しないと自分たちの問題を改めようとしないもので、厳しい時期こそ学ぶ時期だ。そして人や新しい技術や新しいアイデアを試す。価値を創造し、より強い企業に生まれ変わるチャンスといえる。その後に成長が待つ」

 「日本の企業の力は現場にある。現場には献身的な取り組みと忠誠心がある。本当に企業のためと信じてやってくれる。現場との接点を継続する限り、日本企業は大丈夫だ」

[10月28日/日本経済新聞 朝刊]
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