森 稔 森ビル 社長
都市間競争、東京に課題
――アジアの都市間競争で東京は勝てるか。
「(海外企業のトップなど)忙しい人はヘリコプターで都市を行き来する時代。それを東京が実現できないのはまずい。ヘリの運航サービスを自由にすべきだ。入国審査やビザの発給などの面でも体制を変える必要がある。こうした点でアジアのライバル都市と比べてかなり劣っている」
――魅力ある都市の条件は。
「生産性を上げられる街が条件になる。東京は人を集めて生産性を高めないといけないのに、容積率を低くして周辺に(都市機能を)分散させてきた。ようやくコンパクトに生活の質を高めた方が良いということになった。例えば六本木ヒルズにはミュージアム、図書館、イベント施設などがあり、稲刈りや田植えも楽しめる。土地の高度利用で緑のスペースも生み出せるようになる」
――上海などの都市と共存共栄する道は。
「都市間の競争で互いを高め合うという手法がある一方で、相互に交流を深めることで機能を磨くこともできる。アジアには国際金融センターをどこにするのかという議論もあるが、都市間の時差をうまく使うことが可能だ。東京に加え、上海、シンガポール、香港もあり、市場はいつも開いている。十分に使いやすいようにすれば、都市は互いに成り立つ」
――少子高齢化社会での都市の役割は。
「就業可能な労働人口が減少するが、高齢になってもIT(情報技術)機器を使えば仕事はできる。街はバリアフリー化されて、至るところに運動施設や医療施設もできる。子供を預けて働ける施設を作って大いに(都市生活者の)生産性を上げればよい。少子高齢化は都市化の進展でかなり解決できる問題だ」
(聞き手はアジア部長 後藤康浩)
[10月29日/日本経済新聞 朝刊]
|