大坪 文雄 パナソニック 社長
紙一重の差が成果に
衆知を集めた全員経営を大切にしている。多様な人が入り交じって個性を発揮し、全体として一つの方向に向かうというのが理想。これまで「現場主義」と「濃密なコミュニケーション」で全員経営を実践してきたが、グループ30万人でさらに推し進めたい。
マクロトレンドだけで物事を判断しないことも意識している。マクロ経済は大変な状態で家電業界にも逆風が吹く。しかし、最先端デジタルやエコ関連などの商品は高成長を続ける。勝てる領域を見つけて手を打つのが経営だ。他社より少しでもがんばる紙一重の差の積み重ねがいずれ成果に表れる。
目指すのは「グローバルエクセレンス」。たゆまぬイノベーションで成長を続け、世界規模で健全な事業活動を展開し、すべてのステークホルダーに支持される企業がそれだ。数値目標としては売上高10兆円以上、営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上などだ。
これを実現する基本となるのが「モノづくり立社」の追求だ。開発から商品を届けるまでの全プロセスが連携し商品づくりに結集する取り組みがどの企業よりも優れている姿を目指す。
成長のカギを握る海外は年率2ケタの販売増を目指す。特にBRICsとベトナムを戦略地域と位置づけ、富裕層や中間所得層向けに薄型テレビなど先端商品や地域別の専用商品をそろえる。
環境への取り組みの先進性も成長性や収益力と並んで重視している。省エネ商品や家庭用燃料電池など創エネルギー商品の開発に力を入れる。
グローバルエクセレンスへの取り組みを加速するため、10月1日に社名を「パナソニック」に変更しブランドも統一した。松下幸之助創業者が電化製品によって人々を貧困や家事労働から解放しようとしたように、私たちは今日的な課題にグローバルに取り組み、暮らしを輝かせるアイデアを提供し続ける。
その思いは商品・事業で示していく。一言で言えば「家まるごとパナソニック」の提案だ。家庭生活に関連する事業領域で、徹底して幅広くエレクトロニクス商品を手がけているメーカーは世界に類がない。多岐にわたる商品群を連携させ家まるごとで提供する。
例えば健康・美容ライフ、先端AVライフ、エコライフなど今までにない新しい提案をしたい。そうしたネットワークの中心となるのはテレビであり情報の窓としてさらに進化させる。パナソニックは世界中に散らばる多様な個性の力を一つの志のもとに結集する。
[10月28日/日本経済新聞 朝刊]
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