ジェフリー・イメルト ゼネラル・エレクトリック 会長 兼 CEO
戦略分野へ絶えず転進

低成長の市場環境で企業の価値を高めるためには、自ら成長を作り出さないといけない。そのためには将来有望な分野に積極的に参入すると共に、変化を恐れてはならない。ゼネラル・エレクトリック(GE)は国内総生産(GDP)成長率の5倍に匹敵する利益の伸びを目指しているが、リーダーとしての責任ある行動とともに、将来のための賢明な投資戦略が勝負を分ける。
GEは生産性を重視した強いビジネスモデルの構築を目指してきた。グローバルな規模で部品の調達先を確保。生産拠点はコストが最適ならどこでもいい。
ただ、我々が直面する課題は1―2カ月で解決できるものではなく、長期的な視点で解決しなければならない。生産設備の過剰感は否めず、米国では稼働率が74%と過去最低水準に落ち込んでいる。また、技術的基盤を持つ中国やインドなど、新たな競争市場への対応も怠れない。原油価格の高騰も懸念材料だ。
GEは長期的な技術革新のため、毎年45億ドル規模の投資を続ける。成長著しい中国・上海にも研究開発拠点を設けた。売り上げのうち4割超はもはや海外市場。今後5年で5割超に達するとみており、技術と人の両方をグローバルに養成できる体制を構築する。
サービス体制の充実も重要だ。GEの経営改善手法である「シックスシグマ」を顧客にも提供することで、例えば病院の経営改善などで効果を示している。シックスシグマはGEのキャッシュフローの源。我々はこれを生かし、いつでも将来に投資できる強さを身につけてきた。
こうして我々の長所を生かせる将来の成長分野を狙い、新しいビジネスをスタートさせるわけだ。単なる企業の合併・買収に終わらず、事業を有機的に拡大させなくてはならない。典型例は今月発表した英医療診断・解析システム大手、アマシャムの買収だ。GEの医療ビジネスは画像診断にとどまらず、生命活動の源であるたんぱく質の解析など創薬分野などでも指導力を発揮し長期的に成長できるようになった。
一方で今夏売却したGEエジソン生命保険は、米AIGに委ねた方が事業の拡大が望めると判断した。ビジネス活動での「変化」は時として破壊的だ。社員に不安も引き起こすだろうが、皆をけん引するのがリーダーの役目。責任感と最高の倫理観が問われる。
私は前会長のジャック・ウェルチに比べ20歳若い。彼が会長の時代とは違う世界にあって、過去を振り返らず、未来を恐れない新時代のリーダーとして、今年通期で13事業のうち8事業で10%成長を実現させる。
[10月21日/日本経済新聞 朝刊]
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