池田 弘一 アサヒビール 社長 兼 COO
焦点絞りブランド育成

今年は阪神タイガースが18年ぶりに優勝した。18年前のアサヒビールはシェアが10%を割り込み、最下位転落も間近に迫っていた。その原因は「お客様の口にあったビールを作っていない」ということだった。
そこで我々は「お客様のニーズにこたえる」という原点に戻った。大規模な消費者調査で「コク」と「キレ」の両方が求められていることがわかり、このし好を先取りしたことが「スーパードライ」につながった。
スーパードライは国内ビール市場の約半分を占めるまでに成長した。辛口などの商品特性に加え、「鮮度」という新しい価値の創造、そして経営資源をスーパードライに集中したことがブランド確立につながった。
2001年には「本生」を発売し、発泡酒市場に本格参入した。国内大手では最後発だが、「スーパードライのアサヒビール」という高い期待に応えられる商品ができるまでは発売するつもりはなかった。
本生は発売時に一気に盛り上げる集中的な販売戦略もあって、初年度から計画を大きく上回る実績をあげた。この結果、01年はビール・発泡酒市場で念願のトップシェアを獲得できた。
今年7月、「本生アクアブルー」を発売した。我々として初めてのブランド拡張だが、機能性に加えて、2年間育成してきた「本生」ブランドに対する信頼感がヒットにつながったと思う。
ビール・アルコールビジネスの環境は大きく変化している。「スーパードライ」への評価だけでなく、企業ブランドを高めることに全社をあげて取り組んでいきたい。
[10月21日/日本経済新聞 朝刊]
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