日経フォーラム世界経営者会議
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従業員との信頼醸成
ハワード・シュルツ スターバックス コーヒー 会長 兼 チーフ・グローバル・ストラテジスト

 私がスターバックスに出会った19年前は4店舗だったが、今や3600店舗。これほど世界で認めてもらえるとは思わなかった。

 当社が成長を通じて得た教訓が二つある。一つは技術やマーケィングだけでなく、人的資源が重要ということ。もう一つは、消費者が企業に不信感を抱いている現代にあって、思いやりや親愛を組織の中に作り出すという微妙なバランスこそが、ブランド普及に結び付いたということだ。

 私はニューヨークの貧困家庭で、豊かさを夢見ながら育った。そして、人間の精神が豊かであることの大切さに気付いた。

 ブランド普及のために広告する資金もないので発想を逆転、社内でブランドを確立してそれを顧客に広げることにした。従業員との信頼作りのため、パートタイマーを含む全従業員にストックオプションを与えて会社への帰属意識を植え付けた。当社の離職率は米企業の平均よりずっと低い。

 米国のサービス業は顧客を大切にせず消費者の信頼度は低い。当社は自宅と会社の間で安らげる「第三の場所」を提供することでブランドを築いてきた。

 他国への展開もブランド力を確認しながら進めた。言葉や文化が異なる国で受け入れられたのは、当社の価値観に米国のみならず世界中の国の人々が共感したからだ。今後もブランドの価値を維持していきたい。

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