日経フォーラム世界経営者会議
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金融の21世紀、ITで開拓

     ポールソン・米ゴールドマン・サックス会長「規制緩和が不可欠」
     西村みずほホールディングス会長「邦銀復活の10年に」


講演する西村みずほホールディングス会長

 31日午前のセッション

 第2回日経フォーラム「世界経営者会議」(主催=日本経済新聞社、スイス経営開発国際研究所、米スタンフォード大学アジア太平洋研究センター)は31日午前、情報技術(IT)が金融分野に与える影響などを中心に2日目の議論に入った。米ゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソン会長が講演し、「IT革命は情報の収集、処理、伝達にかかる費用を劇的に低下させた」と指摘。みずほホールディングスの西村正雄会長は「資産効率の改善や戦略的なIT投資などで、21世紀初頭を日本の金融機関の復活の10年としたい」と表明した。

 ポールソン会長は業務を大きく変えるIT革命について「日本はこの革命にどう対応すべきか分かっている」と述べた。その上で、「日本の国民が求めているのはITがもたらす急速な変化のなかで競争し、勝利することだ」と強調。その前提として、規制緩和を進めることが不可欠との認識を示した。ITと製造業をどう結び付けるかに関してはすでに日本はリーダーで、規制緩和が進めばIT革命で「日本は勝者になる」との見方を示した。

 西村会長は1990年代が日本の金融機関にとって「失われた10年」となった理由について、護送船団方式による規制と保護で変革が遅れたうえ、不良債権問題への行政の対応が遅れ、銀行のリスク管理も不十分だったと分析。この間、欧米の大手金融機関は「大型再編・統合と大規模なIT投資で収益力を大幅に強化した」と指摘した。

 ロナルド・マッキノン米スタンフォード大学経済学部教授は、金融政策と世界経済について「日米両国が協調して円高懸念を払しょくすれば、日本の民間資金需要が伸びて(景気に)好循環をもたらす」と語った。

 同日はこのほか米スターバックスコーヒーのハワード・シュルツ会長、仏ルノーのルイ・シュバイツァー会長らが講演し2日間の日程を終了する。

進出先の文化を尊重・仏ルノー会長

講演するルノーのシュバイツァー会長兼CEO

 31日午後のセッション

 第2回日経フォーラム「世界経営者会議」(主催=日本経済新聞社、スイス経営開発国際研究所、米スタンフォード大学アジア太平洋研究センター)は31日、情報技術(IT)が経営に与える影響などを中心に議論した。講演では仏ルノーのルイ・シュバイツァー会長が、グローバル経営は「進出国の文化を尊重しなければ失敗に終わる」と指摘。ITに関しては、日産自動車との協業などを例にあげ、「今やルノーの海外展開に不可欠なツール」と位置付けた。会議は2日間の日程を終え閉幕した。

 「ルノーの世界戦略と企業内革命」と題して講演したシュバイツァー会長は、グローバル化戦略の中で進出国の文化を尊重することは「私の確固たる信念」と強調。日産とは「戦略と管理方法を分かち合う団結力のある二国間グループを築き、ともに利益成長を目指す」と明言した。

 アドバンテストの大浦溥社長、米スターバックスコーヒーのハワード・シュルツ会長、米ドラッグストア・ドット・コムのジェッド・スミス創設者は「ニューマーケットの創造と世界展開」をテーマに討論した。シュルツ会長は、同社がパートタイマーを含めた全従業員にストックオプション(自社株購入権)を導入するなど人材を最大限尊重したことが、「社内でのブランド作りに役立ち、それが消費者にも波及した」と指摘。これが広告費などの支出を抑えながらも、グローバルなブランドの確立と競争力強化につながったとの認識を示した。

 さくら銀行の石川博一副頭取とマネックス証券の松本大社長は、ITが金融機関のコスト削減を加速させるなど競争を促している現状や、ITが経営の将来に与える影響などについて対談した。

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