提携で規模・スピード両立
G. リチャード・ワゴナー Jr. ゼネラルモーターズ 社長 兼 CEO
「大文字のG」と「小文字のe」――。「Globalization(グローバリゼーション)」と「eコマース(電子商取引)」という2つの大きなトレンドが互いに関連しあいながら、今日のビジネスを揺さぶっている。
グローバリゼーションが90年代の企業経営に与えた衝撃は疑う余地がない。多くの産業が今日の世界的な大競争に生き残るため、規模を必要としている。自動車の再編レースがいい例だ。
だが「規模とグローバル化」だけでは21世紀の勝者になれない。「大きく、かつ迅速」であることが必要だ。GMはその解決策として、買収ではなく「アライアンス(提携)」という道を選び、2年ほど前から提携構築のペースを加速させてきた。
スズキやいすゞ自動車への出資比率を引き上げ、富士重工業や伊フィアットと新たに資本提携した。トヨタ自動車とは次世代車の技術開発で、本田技研工業とはエンジン調達で協力関係を結んだ。
GM流の提携戦略は買収よりも迅速に、シナジー(相乗)効果を実現することができると確信する。今日、我々の会社は「GMネットワーク」と呼ばれるのがふさわしい。
単独で全世界の全商品分野で主導権を握られるだけの人材、資金、製品を抱える自動車メーカーはない。提携は「大きくかつ、迅速」を可能にする。それを実現するための手段を与えてくれるのがインターネットだ。
これまで不可能だった個別の顧客とディーラー(販売会社)との瞬時の接触やサプライチェーンの効率化が可能になる。GMはeビジネス関連企業との提携も進めている。例えばソニーとは「メモリースティック」をGMの「ウェブ・カー」に採用することで合意している。
我々はネット革命のすべての側面をカバーしようとしている。「BtoC(消費者向け電子商取引)」の分野ではe―GMが世界中の顧客にネットを介して対応できるように全力を投じている。欲しい車を検索して、最寄りのディーラーを紹介するサイト「GMバイパワー」へのアクセス数は月間100万件を超えた。
「BtoB(企業間電子商取引)」の分野では、GM、フォード・モーター、ダイムラークライスラーによるネットを使った仮想の部品調達市場「コビシント」が先月、米と独の規制当局から許可を得た。
3社合計で年間で2400億ドルを超える調達額のかなりの部分が数年内にコビシントで調達されることになるだろう。
eビジネスは成熟産業に新たな価値を創造するための手段を与えてくれる。それにはまずゲームに参加しなければ勝利のチャンスはない。グローバリゼーションは続いており、eコマースはまだ揺らん期でリスクもあるが、それ以上に大きな機会に満ちた将来をもたらす。それを現実に変えるのが私の最大の仕事だ。
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