第1回日経フォーラム「世界経営者会議」対話・講演・討論の全文

テーマ: 「競争力を高める企業戦略」

スピーカー(文中敬称略):グレアム・M・ウォレス氏
 ケーブル・アンド・ワイアレス・ピー・エル・シー最高経営責任者

日時:1999年10月8日(金)13:30-14:10

場所:東京・帝国ホテル 本館2階「孔雀東の間」

【ウォレス】このセッションのテーマは、「競争力を高める企業戦略」ということだが、一つの産業界すなわち、電気通信事業についてお話したい。ここでは通信事業に絞って、ケーブル・アンド・ワイヤレス(C&W)が、この分野でいかに他にないユニークな立場にあるかをご説明したいと思う。

 電気通信事業の出発点は、各国ごとの政府が所有している公共サービス独占企業体にあった。こういった組織の中では、規制とか政府との関係が、競争力や効率と同じくらいの重要性をもっていた。しかしながら電気通信の初期の時代においてさえ、あるいはC&Wがイースタン・テレグラフ、カンパニーと呼ばれていたときでさえ、我々は追随者ではなくリーダーであり続けた。1860年代の後半には、もうすでに国際ケーブルの運用を行う最初のオペレーターのひとつだった。画面でご覧に入れているのは、初期のケーブル附設船とその乗組員の写真だ。またわが社は、世界で初めてグローバルな通信サービスを行った。それは1872年のイースタン・テレグラフ・カンパニーのグローバルネットワーク図の地図が示している通りだ。

 さて電気通信事業は、つねに変遷を遂げてきた。しかしここ15年間の変化は、通信の歴史の中でも最も劇的な変化を遂げた時期だったと言える。1980年代半ば以降、各国は相次いで電気通信の市場に、競争を導入した。そして産業界が各国の独占企業体が相互につながれているパッチワークの状態から、今日、見られるような、真に競争が行われるグローバルな産業界になった。またグローバル化とともに、電気通信分野は音声の分野からデータ通信、IP分野へと急激な成長を遂げた。一方で、さらに顧客のニーズに焦点をあてるようになってきた。新規参入事業者は、「すべての人にすべてのものを提供する」という従来の事業者ような形ではなくて、もっと特化するようになった。特にデータ・トラフィック市場の伸びは、急速だと見られている。それと共に音声需要の落ち込みが見られる。これは通信事業の世界的な変貌の重要な要因となっている。こういった急速な拡大は、インターネット利用の拡大によって、促進されている。それではC&Wが、非常に競争の激しいグローバルな市場で、21世紀の需要をどう満たそうとしているのかについてお話ししたい。

 私が今年2月にC&WのCEO(最高経営責任者)になった際に、私は幾つかの基本的な質問をした。第一の質問は、C&Wの強みは何か。ここで私どもの年間収益150億ドルの内訳をご覧いただきたい。私どもは、2つの点で、ほかの大手通信事業者と区別されると思う。まず第一に、私どもの収益のかなりの部分がビジネス顧客からきているということ。NTTを含めて、ほかの大手通信事業者の場合には、ビジネス顧客からの収益が半分、残りが一般世帯というか、個人顧客だ。それに対してC&Wの場合は、収益の75%以上がビジネス顧客によるものだ。2番目に我々は、他社にないグローバルな展開を行っているということ。C&Wの収益の70%以上が、本拠地の英国以外から得られている。それに対してほかの大手の通信事業者は、収益の90%以上を本国市場から得ている。だからグローバルと言いながら、真の意味でグローバルでないところが多い。

 2番目の質問は、ビジネスのお客様が何を求めているか、ということ。これに対する答えは明確で、また意外なほど全世界共通だ。すなわち真にグローバルなエンド・ツー・エンドな能力を求めていること。2番目に、各地域のニーズに対しては、優れたローカルな対応が求められていること。3番目に、ビジネスをサポートするアプリケーションの提供が求められていること。我々は個人顧客よりも、こういったビジネス顧客に対して、グローバルに、より大きな付加価値を提供することができる。すなわちビジネス顧客が全世界で求めているニーズは、驚くほど似ていて、我々は大幅な相乗効果をあげることができる。

 こういったことをベースに考えると、我々の戦略的な優先順位は、きわめてはっきりしている。第一にビジネス顧客に焦点をあてること。2番目に、将来の成長をデータ通信とIP指向型のサービスに基礎を置くこと。3番目にグローバルな運営と、世界中の主要ビジネス市場をカバーすること。C&Wの競争上の優位性は、各地域の拠点が、主要なビジネス市場をカバーしていることと、ネットワーク、技術、商品開発において、グローバルなオペレーションを行っており二つが融合するところから出てくる。優先順位の設定はできるが、より挑戦的な課題は、理論的なものよりも実践的な問題だ。すなわち現在の立場から、将来、求められている状況にどうもっていけばいいのか、ということだ。我々の実行計画は次のようにまとめることができる。ネットワーク容量の大幅な拡大のための投資をすることによって、お客様の方で低コストで信頼性の高いグローバルなアクセスをより求められるニーズを満たしていくこと。さらに、ほんとうの意味でお客様のビジネス・パフォーマンスの向上につながるようなアプリケーションを開発すること。と同時に私は、わが社の複雑な企業構造を単純化し、財務体質を強化しようと考えた。以下、これらの計画の詳細を説明したい。

 まずC&Wは今後2、3年のうちに30億ドル規模のグローバル・ネットワークの投資を実施する。米国においては6億7,000万ドルを投じて、最高速の大容量インターネットのネットワークの構築を進めている。これはインターネット、データ、音声、メッセージ・コミュニケーションをひとつのネットワークに、全面的に統合するものとなる。最近、C&Wは現行ネットワークの能力の倍増を発表した。これによって2ギガバイトのハードドライブ−−これは2,550ページテキストの2,000冊に相当するが、これをニューヨークからロサンゼルスまで7秒以下で送ることができる。また我々の計画が2001年秋に完了すると、C&Wの米国のインターネットのネットワークは、毎秒9.6ギガバイトのデータ伝送能力をもつようになって、先ほどの2ギガバイトのハードドライブをニューヨークからロサンゼルスにまで、2秒で伝送することができるようになる。欧州では10億ドルを投じて、40の主要都市をカバーする次世代の大容量ネットワークの構築を進めている。英国においても、我々がいちばん最初に設置したオール・デジタル・ネットワークの大幅なアップグレードを行って、増大するお客様のニーズを満たそうとしている。また地域ネットワーク同士の相互接続を進めることによって、データ・トラフィックの急増に対応できるような信頼性とスピードを確保しようとしている。

 私どものグローバル・ネットワークを建設するにあたって、私どもは次世代に向けた世界的なIPベースのアプリケーション提供のためのプラットホームを作成した。その内容は電子商取引、IP上での音声サービス。これは技術的はもう確立されている。それからメッセージング、マルチメディア、ウェッブホスティング−−など。こういったアプリケーションが、私どもの法人顧客に対してビジネスパフォーマンスを改善することを可能にするがゆえに、我々はこのビジネスを行おうと決意した。

 一方、私どもの法人顧客の方々に焦点をあわせるために、我々は自身の企業構造を単純化し、財務を強化している。このような企業イニシアチブは、すでに発表されている。その中には幾つかの売却がある。例えば英国の移動体通信会社であるワン・ツー・ワンやフランスの移動体通信会社であるブイグを売却したし、海底ケーブル敷設会社であるケーブル・アンド・ワイヤレス・マリーンの株式を売却し、さらにケーブル・アンド・ワイヤレス・コミュニケーションズのケーブル電話部門、テレビ部門も売却した。最新のニュースは、日本における移動体通信の株式を売却したことだ。9月22日にボーダホン・エアタッチに対してデジタルホン・グループの株式を売却し、また我々はボーダホン・エアタッチと私どもの持つ6つのデジタルツーカーの株式を売却するという最終合意に達した。これは取締役会の合意を待って近い将来、実施される。これによって私どもは、税引き前3億8,900万ドルの売却益を得ることができることになっている。こうした一連の売却も含めて、新たな戦略的投資に向けて120億ドルの資本を得られるし、同時に、我々のマネージメントタスクをより明確にすることも必要だ。すなわちこれまで様々なビジネスをやることによって、不可避的にあった様々な妥協や対立を軽減し、さらにはビジネス顧客、データ、IPに対し、より明確な焦点をあてることを可能にした。またこういった売却は、C&Wグループ内のオーナーシップベース(所有権構造)を合理化することができた。ワンカンパニー・アプローチをとることが可能になるわけだ。これは私どもがコントロールしている中核の事業に投資をし、そこに必ずしもあわないものは売却するという方法で行っていく。

 次は戦略的な買収で、これは私どもの戦略の要になる。すなわち日本で私どものIDC株式保有比率を高めることによって、確固たるプレゼンスを日本に置くということだ。なぜこれが私どもにとってそれほど重要なのか。まず日本は、世界第2位の経済力をもつ経済大国だ。そして全体としてのGDPは、もちろん電気通信能力および収益の基本的な駆動力になるので、日本は米国に次で世界第2位の電気通信市場を有している。また日本は、世界の企業法人が集中している国としても世界第2位だ。明らかなことにはC&Wがグローバルになりたければ日本に明確な存在を示す必要性を認識したわけであり、ゆえに私どもはIDCの株式を買収した。C&WのIDC買収は、単なるネットワーク資産の買収ではない。私どもは、最も高いレベルの顧客サービスを提供することができると評判をとった従業員がおり、そして優良法人顧客と大変素晴らしい関係をもっている企業の株式の過半数を所有した。日本はアジアにおけるインターネットの発展に於ては、明らかにリーダーであり、その需要予測には驚くべきものがある。日本のIPネットワークの容量は、今後、数年間に50倍から60倍になると予想されています。さらに日本はアジアにおけるIP能力の50%は、シェアをつねに維持していくと考えられる。この点に関しては、最近、C&Wは米国に向けて、汎太平洋インターネットワークの能力を倍増することを発表した。これによって400メガビット/秒になる。さらに今後1年間にこれを倍増して、1ギガビット/秒にする。私の考えでは、真にグローバルな企業になろうとすれば、やはり日本で確固たるプレゼンスがなければならない。IDCを買収することによって、私どものネットワークのリーチを延長しIPアプリケーションを日本にまで伸ばすだけでなく、非常に質の高い企業、顧客ベース基盤をつくることが出来る。C&Wにとってユニークでグローバルな意味での競争優位を与えてくれる。

 私どもは、競争を高める事により日本の顧客にさらに利益をもたらしています。移動体電話という分野は、当然あるべき水準の競争による利益をもたらさないでいます。私どもが移動体電話ユーザー向けに提供している新規の海外料金は、日本市場において新たな標準的な価格となっています。現在、一部の移動体電話会社の海外料金はケーブル・アンド・ワイヤレス IDCの料金に対して最大48%割高です。また、他では提供されていないのが割安な海外固定回線電話料金です。家庭、会社のいずれにおいてもケーブル・アンド・ワイヤレスIDCほどの割安な料金設定はありません。

 もちろん電気通信市場の健全な競争はいかに優越した企業を効果的に規制するかにかかっています。相互接続料金は、競争的な電気通信事業を運営する上で、単一のもっとも大きなコスト要因です。既存の優越的な通信事業者は、接続料金を人為的に高める事によって、その事業者に接続を依存している事業者の利益や競争力を管理できます。そうすることによって、当然のことながら、こうした相互に接続している事業者が、競争優位によって得た利益を顧客に還元する事も妨げています。したがって、私たちは、欧米市場の4倍も高額な日本での接続料金を引き下げるという動きを支持しています。しかし、現在検討中の中でもっとも低額の料金が採用されたとしても、日本の接続料金は米国、英国や欧州に比べやはりかなり高額となるでしょう。私どもも含め、事業者が競争力を持ちたいならば市場の開放はさらに必要です。私は日本市場にかかわらない者として申し上げているのではありません。むしろ、こうした開放こそが日本で私どもが競争力を高める鍵であり、また日本の顧客にもたらしたいと願う利益の鍵でもあると考えています。

 次に、メインテーマに戻りまして私どもの新たな事業展開に向けた準備は完了したが、もちろんこれで終わるわけではない。今後も、C&Wは我々のネットワーク商品やサービスを、単にこれまでの伝統的な音声市場だけではなくて、非常にエキサイティングな、新たなデータ通信やIPの世界で拡大していく。今後は欧米、日本、アジアなどのネットワークハブを通じて、我々のグローバルな商品やサービスを提供する能力が、さらに強化される。

 ここでトピックに戻ります。これまでの私の話で、C&Wが、今後、どういう方向に進もうとしているか、十分にご理解できたと思う。さきに申し上げたように私どもの戦略的なプライオリティーは、法人顧客のニーズを満たすことにある。また私どもの将来的な成長は、急速に成長しているデータ通信およびIP市場に焦点があたっており、さらにアジア、欧州、北米の主要ビジネス市場において、ローカルなプレゼンスを強力に維持することにより、よりグローバルな運営を目指す。このローカル・サポートとグローバルな能力という、非常にユニークな組み合わせによって、顧客の方々に、真の意味の競争優位を提供していくことができる。これによってC&Wのためのみならず我々の日本および世界中の顧客の方々に、非常にすぐれたサービスを提供していくことができると思う。

 本日は世界的な戦略展開上のC&WIDCと、日本市場の重要性について説明しましたが、これまでの話で、C&Wの戦略の実施が、すでに緒についたことは、おわかりいただけたと思う。さらに我々は、未来の世界的な電気通信市場の競争にチャレンジしていく用意が十分にできていることを、最後に申し上げたい。

 

質疑応答

【質問】世界の通信情報市場を見ると、血みどろの買収合戦が繰り広げられているが、これは究極のところまで続くのか。

【ウォレス】この分野では、買収は不可避のものだと思う。それには2つの理由がある。まず電気通信では、規模の経済が効くこと。もうひとつは、この業界の性格によるものだ。すなわちこの電気通信の世界では約80年間にわたって、政府によって、いわば公共の独占事業体として、統合・買収が抑えられてきたからだ。石油産業でも、金融業でも、長年にわたって統合・買収が行われていたのに、電気通信業界では、この10年くらいから、やっと統合・買収が行われるようになった。つまり今まで抑えられてきた企業買収をやろうという、一種のキャッチアップの時期に入ったのではないか。統合によりもたらされる規模の経済は大変大きなものがあり又、膨大な投資も必要なので、企業買収を行って、大きくなることの利点がある限りは続くと思う。

【質問】C&Wを含めた情報通信企業は、これからどうやってサービスの差別化をはかっていくのか。

【ウォレス】私どもの世界の法人顧客が何を求めているかを調べると、国や地域にかかわらずみな同じことを言われます。まず通信の事業者が、グローバルな能力を有していることを求める。驚くのは、そういった答えが、大規模な多国籍企業から出るのは当然だが、規模の小さな会社も同じことを言われる点だ。すなわちいかに企業規模が小さくても、インターネットを活用することによって、行動そのものは大企業と同じになっているからだ。だから電気通信事業者は、グローバルな能力でサービスの提供を行うことが必要だ。それこそが主要な違いである。そこが日本のNTTと違う。NTTは非常に強力な企業ではあるが、国際的なキャパシティー、あるいは国際的な競争力という点では、まだ足りないところがある。それに対して我々は、英国でBT(英国電気通信会社)からシェアを奪っている。これは我々がグローバルな能力をもっているからだ。国内中心だった電気通信事業者は、そういう能力をもっていない。我々は100年以上にわたって、それを行ってきたという大きな優位性をもっている。そしてこの点が、かつてより以上に競争上の優位性になっている。現在、多くの企業や産業界はグローバル化の方向に進んでいるが、我々はよりよいサービスと、そのケアを提供できる。どこの電気通信事業者も、そういうことを言うだろうが、ローカルなプレゼンスとグローバルなオペレーションが、真の意味で組み合わさっているという意味では、我々はほかに比類のないものをもっていると考えている。

【質問】C&Wは、日本市場に具体的に何をもたらそうとしているのか。

【ウォレス】競争が行われている電気通信事業市場は、その国の競争力の源泉であり、競争的な優位性の根源だと思う。過去10年間の日本の問題は、先進国で電気通信市場の規制緩和がなされ、競争が奨励されたにもかかわらず、日本では同じ程度でそれが行われていなかったことだ。つまり欧米で見られたような、ほんとうの意味での技術革新的な電気通信事業者は出てこなかった。そして高い電気通信料金を払いすぎた。それが国の競争の不利さにつながった。特にEコマースのようなイノベーションを見ると、現在の米国の急速な展開に比べて、日本は本来、もち得る競争力を、明らかに発揮できなかった。またイノベーションに対してのシェアを確保するためには、電気通信における真の意味での競争が必要だ。また規制緩和を行って既存の支配的な事業者に対して、競争が認められるようにならなければ、真の自由化につながっていかない。しかしこのことは欧米では行われてきた。いずれにしろ電気通信のサービスが、今後とも、それぞれの国の企業の競争力の源泉になる。つまりネットワークをどのように使っているのか。例えばセキュアなインターネットを使ってサプライヤーとコネクションをつけることによって、サプライコストを下げ、通信サービスの質を向上させることができなければ、日本の内外において、その分だけ損をすることになる。

 私どもC&Wは、電気通信事業を真の意味でグローバルな産業だと、とらえている。というのはグローバルと言いながら、一連の国内市場をつなぎ合わせただけのグローバルでない産業界もあるからだ。そういう中で我々のネットワークは、日本に競争力のある電気通信料金やサービスに加えて、ローコストでしかも高速で全世界とコネクトできる便益をもたらすことができる。つまりこういったネットワークによって、距離が無になる。英国では「距離の死滅」という有名な本があるが、全世界が光ファイバーを通じて瞬時に通信できるようになれば、距離は意味をもたなくなる。私どもは、こういったグローバルな視点を日本にもたらすことができると考えている。

【質問】日本でC&WがIDCを買収したことは、かなり注目されたが、その結果については、驚いているか。2番目に、ここ3、4年での最大のチャレンジは何か。

【ウォレス】まず最初の質問についてですが、私は成功したことに驚いていないが、非常に嬉しく思っている。我々は成功を求めて始めたし、成功すると思って始めた。また世界中から成功しないだろう、と予想されたが、私はそういったことを言われると、ますます成功しようと決意を新たにした。だから喜んでいるが、驚いてはいない。

 2番目の質問に関しては、もちろん相互接続も今後解決されていくと思うし、また解決されなければ、日本が真にこの市場で競争力をもつことはできないと思う。私どもが直面している世界での主要なチャレンジのひとつは、日本でも同じだと思う。音声ベースのビジネスは、国際的なトラフィックでやってきたが、それがデータIPに移行していくためには、まったくメンタリティーを変えなければならない。私どもの欧州では、これを”ポニーテール・メンタリティー“と呼んでいる。というのはこのIP分野の上級オフィサーの多くが、ポニーテールをしているからだ。つまりこの分野でアプリケーションを開発するには、若い頭の切れる人がいなければ、クリエイティブでイノベーティブな仕事はできないからだ。ゆえに、ポニーテール・チャレンジと言っている。だから我々の企業に、そういった人を寄せつけるだけの十分な魅力と、モチベーションと、彼らをマネージメントする能力がなければならない。

 また我々のゴールは、ナンバーワンのグローバルなデータおよびIPベースのサービスを法人に提供することであり、我々はすでにその路線にうまく乗っていると考えている。

【質問】C&Wの成功の主要なファクターは、非常に高い顧客満足度にあるということだが、このような非常に高い顧客満足度を達成させるために、他の企業と違うところは何か。

【ウォレス】もちろん顧客満足は、成功に必要な根本的な要素で、これは他の大多数のビジネスにおいてもそうだ。C&Wにはスローガンがあって、取締役に言っているのは、「我々はつねに顧客の身になって問題を理解し、考えろ」ということだ。だから今年行った大改革は、初めてわが社の全世界のトップエグゼクティブのボーナスが、単に財務実績だけで決まるのではなくて、この顧客満足度をベースに決められたことだ。つまり上級取締役が顧客満足にどう対応しているかを、その上級取締役の報酬に反映させた。これは顧客満足に対する評価を役員の報酬に反映させれば、人々はそのことにより関心を払うようになると思ったからだ。


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