グローバルな企業統治 取締役会、規律守れ/公平に収益配分/情報公開の徹底を
ユナイテッド・ニュース・アンド・メディア会長で英コーポレートガバナンス委員会の委員長を務めるロナルド・ハンペル氏(ICI前会長)、アンダーセンコンサルティングのアジア太平洋地域統括責任者のトーマス・マッカーティ氏、三井物産の上島重二社長の3氏によるパネル討論では、企業経営がグローバル化する中での企業統治を巡って意見を交わした。司会は東京大学の神田秀樹教授。
企業統治が目指すべき方向として三氏は「経営の透明性」や「説明責任」、そして「株主や従業員など様々な利害関係者のバランスを保つ」といった点の重要性を強調した。ハンペル会長はロンドン証券取引所の委託を受けて企業統治に関する報告をまとめた経験を踏まえて、「企業の情報公開を徹底することが重要。あとは株主や社外取締役の判断でチェックが働く」と指摘した。
またマッカーティ氏は、米国で機関投資家の企業経営に対する発言力が高まっていることを受けて、「経営のグローバル化で日本にもこうした動きは波及するだろう」と予測。上島社長は自らの経営哲学を「安定して、適正な付加価値をバランスをもって配分すること」と説明した。さらに株主や取引先、従業員や地域社会に収益を公平に配分していく姿勢を重視していく考えを示した。
こうした方向性を踏まえた上で、それを実現する手法については「企業統治は科学ではなく、これで成功するという公式もない」(ハンペル会長)、「他の国や企業で成果が上がっている制度も、法制度などに合わせて取捨選択して取り入れることが必要」(上島社長)といった臨機応変を求める発言が続いた。
企業統治のカギを握る取締役会(ボード)の役割については、帝人の経営諮問委員会に名を連ねるハンペル会長が「社外取締役こそ会社をチェックし、バランスを取る重要な立場にある」との見解を示した。
マッカーティ氏も「(ボードは)法律や倫理的な規律を守り、リスクを回避すべきだ」と語り、活発な議論を通じて、企業の進むべき方向性を示すことが主要な役割であると話した。
また通常の株主総会が、「米国の企業でも一般的には形式的なものになってしまっている」(マッカーティ氏)ため、「個人株主に機関投資家と同等の情報を提供する場とすべきだ」(ハンペル会長)との指摘もなされた。
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