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「コンドースメント」の登場で、
米国のIFRS導入が現実味を帯びてきた

中央大学専門職大学院 国際会計研究科長/教授
高田橋 範充氏

プロフィール

1958年生まれ。中央大学商学部卒業。公認会計士2次試験に合格後、中央大学大学院経済学研究科博士後期課程修了(経済学博士)。福島大学助教授、中央大学経済学部教授を経て現職。2007年から1年間、クイーンズランド工科大学客員教授。

ワークプランの進行の遅れから、IFRS導入に疑問符が付いたと話題になっている米国。しかし、実際のSEC(米証券取引委員会)の動きを詳細に見てみると、逆に導入が現実味を帯びてきたと言える。昨年暮れから提唱されていた「コンドースメント・アプローチ」が、2011年5月のスタッフペーパー(提言)によって、明確化されたからだ。海外のIFRS事情に詳しい中央大学専門職大学院の高田橋範充教授に、その概要と背景を解説していただいた。

新概念「コンドースメント」の3つのポイント

―― この5月にSEC(米証券取引委員会)から出された「スタッフペーパー」(提言)のなかで、“Condorsement Approach”(コンドースメント・アプローチ)という概念が明確化されましたが、その内容を教えてください。

“Condorsement”とは、コンバージェンス(Convergence=収れん)とエンドースメント(Endorsement=承認)をかけ合わせた造語です。

IFRSの導入方法はこれまで、全面適用のアドプションと、EU諸国やオーストラリアなどが進めているエンドースメント(承認)、中国やインドなどのコンバージェンス(収れん)の3つがありました。エンドースメントとコンバージェンスの大きな違いは、自国基準を持ち続けるかどうか。エンドースメントでは、IFRSを基本にして一部修正・追加しながら使っていくことになります。自国基準を残すという意味ではコンバージェンスですし、必要なものを認める意味ではエンドースメント。コンドースメントは2つのアプローチを重ね合わせた方法といえるでしょう。

―― 「コンドースメント」の特徴はどこにあるのですか。

ポイントは大きく3つあります。1つめは、自国基準を維持しながら自国基準の趣旨に合致する個々のIFRS基準を受け入れていくこと。そもそも、これまでのIFRS基準は米国基準との差異が多かったし、IFRS自体が未完成でした。このまま受け入れても今後の進展によっては何度も改定する必要があります。それらの手間を避けるために、自国(米国)に必要なものだけを取り入れていくわけです。

2つめは、米国のコストおよび負担を最低限に抑えること。一気にIFRSを導入する、いわゆる「ビッグバン・アプローチ」では、米国政府や企業のコストやさまざまな負担が大き過ぎる。

そして最後に、米国は自国基準を維持することによって、自国の権益を守ることが可能になることです。

IFRS導入へのアプローチと「コンドースメント」

 

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