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マハティール・ビン・モハマド氏
マレーシア首相
 「IMF抜き」経済再建

 81年7月にマレーシアでは王族以外から初めて第4代首相に就任した。以後約18年にわたり首相職を務め、東南アジア諸国の現職指導者としては最長の政権を維持している。97年のタイ・バーツ下落を発端とする通貨危機とその後の景気低迷に際し、国際通貨基金(IMF)の支援を回避して独自の経済再生策を打ち出した。

 98年秋には突然、為替相場の対ドル固定制と株売却代金の外国送金禁止を打ち出し、諸外国を驚かせた。その手法には批判も出たが、最近の経済指標を見る限り、マレーシア経済は安定を取り戻しつつあり、決断力に再び高い評価が集まっている。

 国民自動車「プロトン」など自国民のプライドを高める構想を次々と打ち出すとともに、積極的な外資導入策で90年代前半までの高度成長を実現した。通貨危機という困難には直面したが、依然、2020年までに先進国の仲間入りを目指す「ビジョン2020」の旗を振っている。

 多忙な職務の合間を縫って国民との交流に努める姿勢に民族、世代を超えた支持者が多い。最近も休日に首都クアラルンプールの高層ビル内にある書店をふらりと訪れ、サインを求める人々に気軽に応じた。マラヤ大(現シンガポール大)医学部卒。73歳。

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