Asia 99

インドネシア外相、総選挙は信頼性欠けば混乱
インドネシアのアリ・アラタス外相

 インドネシアのアリ・アラタス外相は3日、国際交流会議「アジアの未来」で講演し、7日投票の同国の総選挙について「(公正に実施されたとの)信認を国民から十分に得られなかった場合、政治的な混乱に陥るだけでなく社会不安や経済の停滞が起きるだろう」と指摘し、「自由、公正、平和的」に実施されることが重要と強調した。そのうえで、選挙関連法の成立など政治改革が進展していることを踏まえ、公平な選挙ができる可能性が大きいとの見方を示した。

 外相は総選挙を取り巻く環境について「決定的な要因は、インドネシア国民が改革の精神を理解したという事実だ」と指摘。選挙に参加している48政党は「かつてのような逸脱行為とは縁を切った」と述べ、平和的な総選挙実施への期待感を示した。

 インドネシア経済については、銀行の合併や閉鎖などを進めた結果、「財務が健全な銀行は73行になった」と述べるなど、改革の進展を強調。通貨ルピア相場の安定や物価上昇率の低下など、経済が底打ちし回復しつつあるとの見解を示した。

 また、アジア経済危機の再発防止のため、東南アジア諸国連合(ASEAN)を軸にして「地域全体の経済動向を監視するシステムが必要」と語った。

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