Asia 99

リー上級相、日本発展のため英語は必須科目

 「日本の発展にとって重要なのは英語力をつけること」――3日の国際会議「アジアの未来」に出席したリー・クアンユー・シンガポール上級相は、「優秀な人材を活用することで世界のリーダーになれる。ただし、英語を覚えて、インターネットを通して世界が何を言っているかを知る必要がある」と、アジアのご意見番であり、親日派でもある同氏らしく助言した。

 日本人の欠点について「能力が高いのにアンテナを広げない」と分析したうえで、「儒教的な文化では難しいが、箱の外の考え方を取り入れるようにしなければいけない」と指摘。

 リー氏と対談した加藤紘一前自民党幹事長も、インターネットの世界では英語が事実上の共通言語となっているとこたえ、「フランス、ドイツなどが学校で力を入れているのと比べても日本は遅れている。実用英語の資格を高校入試に取り入れるくらいしないと間に合わないかもしれない」と危機感をあらわにした。

 リー氏は「日本人への信頼を失っていない。自動車や電子機器で出来たように、パソコンだって金融だって追いつく」と日本を持ち上げた後、「むしろ選挙で悩みすぎの政治家の方が遅れているのでは」と辛口の言葉を付け加え、加藤氏の苦笑を誘った。

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