Asia 99

加藤氏、「東アジア共通通貨」努力重ねてはじめて実現

 加藤紘一前自民党幹事長は3日午後、都内のホテルで開催した国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)でリー・クアンユー・シンガポール上級相と対談し、同日午前の講演でエストラダ比大統領が提唱した「東アジア共通通貨」構想について、「夢が生まれつつあること、それに向けた努力があることは非常にいいことだ」との見解を示した。ただ、欧州単一通貨「ユーロ」誕生までに構想から10年以上かかったことを挙げ、「実現に至るまで努力が必要」と述べた。

 加藤氏は「日本はこれまでアジアでの円の使い勝手を良くする努力をしてこなかった。やっと宮沢喜一蔵相の宮沢構想でアジアが国債を発行する際に日本が保証する制度が出来た」と説明、「こういう努力を重ねてはじめて共通通貨が実現する」と付け加えた。

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