Asia 99

マレーシア首相、自国の経済回復に自信
マレーシアのマハティール首相

 マレーシアのマハティール首相は3日午後、日本経済新聞社主催の第5回国際交流会議「アジアの未来」で講演し、「通貨危機に見舞われたものの、現在は再生途上にある」として自国の経済回復に自信を示した。同首相は同国政府が1%程度を見込んでいる99年の経済成長率が「2%、3%の伸びを予想している外資系金融機関の調査もある」などと指摘した。また、「アジアはアングロサクソン的な政治経済制度をそのまま採用するのでなく、従来持っている強みを生かしつつ、良い点は学び悪い点は排除すべきだ」との持論を展開した。

 また、同首相は「アジア危機はアジア各国内のファンダメンタルズの弱さが原因と思われているのは誤りで、むしろ原因はファニーメンタルズ(何かおかしなこと)にある」と指摘した。

 98年9月に1ドル=3.8リンギに固定した為替制度にも触れ、「固定相場にしたことでそれまで出来なかったことが可能になった。金利は下がり、銀行は貸し出しに向かうようになった」と説明、こうした施策は「劇的な効果を挙げている」と語った。

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