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アリ・アラタス氏
インドネシア外務大臣
 総選挙成功が第一

 インドネシアがこれまで経験したことのない最悪の危機から立ち直ろうともがいている時に、今回の会議に参加することになった。国民は数日後の総選挙で国会へ送り出す代表を選ぶ。11月には次の1000年紀に向かって国を導く大統領と副大統領が選出される。

 総選挙は自由・公正で、平和的に進むのか。それとも脅しや、詐欺などによって汚されてしまうだろうか。だれが勝利するにせよ、総選挙が成功すれば、政治の信頼と国民生活の社会的かつ経済的な回復が可能になる。選挙が国民に十分に信頼されない結果になれば、インドネシアは政治的な混乱に陥るだけでなく、社会不安や経済の停滞に見舞われるだろう。

 経済協力開発機構(OECD)によれば、アジア経済危機の打撃を受けた国々は予想以上に速いペースで回復しているという。しかし、この段階で喜ぶのは時期尚早だ。景気低迷が長引くという危機感が薄らいでしまっているとすれば、経済危機の代償として学んだはずの教訓を忘れたことになる。

 平和、安全、そして安定した経済発展を追求すべきことを忘れてはならない。アジア太平洋地域では経済危機に先立つ30年間で前例のない成長を遂げたが、これは相対的な平和によるものだった。

 我々は金融の領域と経済を取り巻くパラダイムで過ちを犯した。しかし、悲惨な経験から引き出された知恵によって危機を完全に克服できると信じている。

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